記念大会となる10回目の神戸マラソンが20日、3年ぶりに行われた。大会のキャッチフレーズは、『「ありがとう」を未来へつなごう。』で、2万人のランナーが、阪神・淡路大震災からの復興を遂げた神戸の街を駆けた。男子はケニアのエルカナ・ランガット選手(25)が、女子はケニアのシャロン・ケンボイ選手(27)が、ともに初優勝でレースを制した。
ランナーは午前9時から段階的に神戸市役所前をスタート。明石海峡大橋の西側で折り返し、ポートアイランドでフィニッシュした。
2019年に第9回大会が開催された後、20年と21年は新型コロナの感染拡大の影響で延期となる。コロナ禍での初めての大会で、関係者のみならずランナーもレースの前後にマスクを着用するなどの感染対策をとり、ウェーブスタートのグループの数や給水所の数を増やし、密を減らすなどの工夫がなされた。
男子のエルカナ選手の優勝タイムは2時間12分47秒で歴代3位。2位にはベナード・キマニ選手(29)、3位にはエルカナ選手の兄、クレメント・ランガット選手(30)と、上位3人はケニア出身の選手が占めた。4位には坪内淳一選手(黒崎播磨)が入り、2大会続けての日本人トップとなった。
一方、女子のレースは優勝タイムが2大会続けて2時間30分を切った。初マラソン・初優勝のシャロン選手は2時間29分13秒でフィニッシュテープを切り、9回大会を制した山口遥選手(35)が記録した2時間27分39秒に次ぐ歴代2位の記録となった。日本人トップは、9回大会に続いて山口選手で、シャロン選手から約6分遅れての2位。ウガンダ代表として東京五輪に出場し、16位だったイマキュレート・チェムタイ選手(39)が3位で続いた。
これまでの神戸マラソンでは、コース沿道では市民らが声援を送ってきたが、10回大会の実行委は、一般客の沿道での応援は控えるよう呼びかけた。定員は9回大会と同じ2万人で変わらないが、応募した人は6割減って、3万2千人にとどまった。