ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)11月28日放送回に、女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサDF井手ひなた(いで・ひなた)選手が電話出演。INAC神戸で経験豊富な先輩たちとプレーする思いや、貴重なチームメイトの存在などについて、番組パーソナリティーの近藤岳登と赤﨑夏実、寺田光がせまった。
2003年8月10日生まれ、福岡県出身の井手選手は、藤枝順心高校を経て、今春からINAC神戸に加入した身長166㎝のセンターバック。U-16、U-17女子日本代表の経験があり、高校時代には全国高校女子サッカー選手権大会で2年生時に優勝、3年生時にベスト4へ導く活躍を見せた。持ち味は、後方からの「ロングボールや、FWや中盤への縦パス」といった精度の高いビルドアップ能力。高さとスピードも兼ね備える19歳は、「将来的には、まずはINAC神戸で中心選手になり、そこから、なでしこジャパンに入って、CBとしてたくさんゴールを守っていきたい」と入団会見で抱負をコメント。憧れ・目標とする選手には、なでしこジャパンの守備の要、DF熊谷紗希選手(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)を挙げる。
チーム加入後、8月20日の「2022-23WEリーグカップ」 第1節ジェフユナイテッド千葉レディース戦で公式戦に初出場。リーグカップでは2試合でプレーした。「2022-23 Yogibo WEリーグ」では序盤2試合でベンチ外となっていたが、11月26日のサンフレッチェ広島レジーナ戦で待望のリーグ戦デビューを果たした。
今回のラジオでの電話出演に際して、打ち合わせの段階から明るいキャラクターでパーソナリティー陣と盛り上がっていた、井手選手。「普段、『うるさい!』ってよく言われます(笑)。(練習場で)朝はたぶん静かなんですが、だんだん練習が始まる頃ぐらいには元気が出てきて、笑い声がみんなにうるさいと言われます(笑)」という、明るさが売りのルーキーDFだが、S広島R戦ではさすがに緊張していたと明かす。
それでも、「自分のなかで『大丈夫、大丈夫』と思いながら」臨んだ晴れ舞台では、「前半はちょっと自分のプレーを出せなかったなという印象が強かったのですが、後半はいつも通りのプレーを取り戻して安定してきたかなと思います。(試合をできて)楽しかったです」と自身も振り返るように、時間の経過とともに本来のパフォーマンスを見せ、得意の縦パスをFW田中美南選手に送り込むシーンも披露。勝利とはならなかったものの、フル出場で、WEリーグでの第一歩を踏み出した。
そんな井手選手にとっていま、INAC神戸で心強い存在となっているのが、チームのキャプテンであり、なでしこジャパンでも活躍するDF三宅史織選手だという。「練習のときは結構厳しく声かけてもらっていますが、それで自分がしっかり考えることができるようになるので。一方、試合のときは、逆に前向きの声かけをたくさんしてくれて、すごくやりやすいです」。昨シーズンのWEリーグベストイレブンにも輝いたセンターバックとのプレーで学びを得ながら、自身の成長につなげている。
リスナーからの質問で、守備のときにはどんなことを注意するか問われた井手選手は、「FWが裏に抜けるのを防ぐことをまずは一番に考えて、そこをカバーしつつ、前にも行けるように」プレーすることを心掛けていると話す。そのなかで、INAC神戸ではなでしこジャパンのエースFWでもある田中選手や、FW高瀬愛実選手(※高=はしごだか)、FW浜野まいか選手をはじめとする強力かつ経験抜群の選手たちとトレーニングで日々、対峙していることも、自身のレベルアップにつながっているようだ。「なでしこにも入っている選手と毎日一緒にできていることで、この(プレー)スピードに慣れれば誰にも負けなくなるかなと、そういう考えでやっています」。また、朴康造監督からは強みである縦パスをもっと出していくようにと指導を受けている。
一方、番組のなかではオフの日の過ごし方について、同じ10代のパーソナリティー・寺田光から質問を受けた井手選手。「1日しかオフがないときは、あんまり遠くへにはいかないかも……買い物ぐらいかな。結構ゆっくり過ごしています。2日オフがあれば、1日目に動いて、遠くに行ったりして、2日目はちょっとゆっくりしています」とコメント。チームで特に仲がいいという、同年代で、ポジションも同じDF竹重杏歌理選手とは、2人で温泉に行ったり、メリケンパークにある「BE KOBE」モニュメントまで自転車で行ったりするなど、プライベートでも一緒に過ごす時間が多いことも明かしていた。
番組恒例のゲストからのリクエスト曲では、Bigfumiの「Life」を挙げた井手選手。「自分が高校1年生の時の(全国女子高校サッカー)選手権で(ひざの)前十字靭帯を切っちゃって……その時に高校の同じサッカー部の子が応援動画みたいなのを作ってくれて、その時の曲がこれです」と、つらいときを乗り越える思い出の曲だったという。この話に、パーソナリティーの近藤は「まじか! 泣ける! ひなた選手の一生ものの曲になってるやん!」と感動していた。