「グリコ」100年迎え、今も愛されて~日本ネーミング大賞2022”レジェンド賞”受賞 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「グリコ」100年迎え、今も愛されて~日本ネーミング大賞2022”レジェンド賞”受賞

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 江崎グリコ(本社・大阪市西淀川区)の看板商品「グリコ」が12月2日、⼀般社団法⼈・日本ネーミング協会主催の「日本ネーミング大賞2022」で“レジェンド賞”を受賞した。
 1922年2⽉の発売から100 周年を迎えた今も、人々に愛され続け慣れ親しまれているネーミングを確⽴したことが評価された。レジェンド賞にはこのほか、アラクス(本社・愛知県名古屋市)の解熱鎮痛薬「ノーシン」が選ばれた。

初代 栄養菓子「グリコ」パッケージ “文化的滋養菓子”はのちに“美味滋養菓子”に ※画像提供・江崎グリコ

 なお、最優秀賞(大賞)は、カネテツデリカフーズ(本社・神戸市東灘区)のカニ風味かまぼこ「ほぼカニ」。優秀賞には「鉄印帳」、「アラウーノ」、「シャボン玉せっけん」、「メルカリ」 が選ばれた。

Glicoグループ100周年展に見る「グリコ」パッケージの変遷(2022年11月 高島屋大阪店 ※現在はイベント終了)
キャッチフレーズは変われど、赤色をベースにゴールサインは不変(2022年11月 高島屋大阪店 ※現在はイベント終了)

■ 栄養菓子「グリコ」
 栄養菓⼦「グリコ」は、創業者・江崎利⼀氏がカキ(牡蠣)の煮汁に含まれる栄養素「グリコーゲン」(ブドウ糖の重合体)をキャラメルに入れた栄養菓子「グリコ」を創製し、1922(大正11)年2月11日に発売したのがはじまり。利一氏は故郷である佐賀県で薬種業を営んでおり、当初はグリコーゲンを薬として販売する構想があった。
 しかし利一氏は、「これからは治療より予防が⼤切」との思いで、⼦どもから大人まで親しまれやすい菓子を製造し、健康増進に役⽴てたいと思うようになったという。

■「グリコ」3文字にこだわって
 栄養素グリコーゲンの最初の3 ⽂字をとって名づけられた「グリコ」。江崎グリコによると、語呂が良く覚えやすい、画数が8画で縁起も良い、広告でスペースを取らず広告効果が⾼いというのがネーミング理由だった。
 当初、「グリコキャラメルの⽅が良いのではないか」との意⾒もあったが、キャラメルではなく、新たなジャンルの商品を強調するため、栄養菓⼦「グリコ」という名称にこだわったという。
 ネーミング以外にも、当時珍しかった⾚⾊をパッケージに採⽤し、中央には「健康のシンボル」としてゴールインマークをすえた。「1 粒で300メートル」というキャッチコピーを⽤いるなど、独⾃性を追求した。

 利一氏は、健康には“⾝体”と“⼼”の両⽅が必要であり、⼦どもたちにとってそれは”⾷べること”と”遊ぶこと”であると考えた。そこで⽣まれたのが「おもちゃ付きグリコ」。
 おもちゃ(おまけ)は時代とともに形を変え、現在は、優しいぬくもりが感じられる⽊のおもちゃシリーズで、専⽤アプリをダウンロードすればスマートフォンでも楽しむことができる。

現在の「グリコ」パッケージ ※画像提供・江崎グリコ

■ 「日本ネーミング大賞」
経済のグローバル化によって、世界に通⽤する国際競争⼒のあるネーミングや商標権の重要性が高まっている。⽇本ネーミング⼤賞は、商品に命を吹き込む”ネーミング”の重要性を広く社会に発信することで、ネーミングの質と価値の向上を図り、⽣活⽂化を豊かにし、産業の発展に寄与することを目的に選出・表彰するアワード(賞)。2020年に制定。
レジェンド賞は翌2021年に始まった。全ての受賞対象の中で、⻑きにわたり愛され、偉⼤な功績をあげたネーミングと認めるもの。2021年度の商標登録出願件数は184,631件。

JAPAN NAMEING AWARD 2022・授賞式(2022年12月2日・東京都港区)審査委員長は爆笑問題・太田光さん※画像提供・日本ネーミング協会
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