“患者と家族の心に寄り添う” 末期がん以外の病気にも適用される終末期医療「緩和ケア」について 医師に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“患者と家族の心に寄り添う” 末期がん以外の病気にも適用される終末期医療「緩和ケア」について 医師に聞く

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――脳の病気の場合は、緩和ケアは行われないのでしょうか?

脳卒中学会全体で考えられていますが、現時点ではまだ行われていません。というのも、脳卒中は軽度から重度のものまで、症状の差が非常に大きいのです。軽症から始まって徐々に悪化していき、さらに認知症の症状まで出てきてしまうと、気づいたときにはご本人の意思が聞けなくなってしまっています。ご家族に話を聞いても、患者さん本人の希望までは知らないことがほとんど。緩和ケアにおいてご本人の意思がもっとも大切なので、意思表示ができない方への緩和ケアは非常に難しいと言われています。

――ご家族の向き合い方も含めて、まだまだ難しい点がたくさんあるのですね。

そうですね。段階的に症状が悪化していく病気の場合、どのタイミングでご本人の意思を確認し、ご家族とともにどのように考えていくべきか、という判断が非常に難しいのです。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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