強敵・浦和Lに勝利 首位に立ったINAC神戸 「全員の勝利!」と安本社長 決戦前、朴康造監督に思いを託していた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

強敵・浦和Lに勝利 首位に立ったINAC神戸 「全員の勝利!」と安本社長 決戦前、朴康造監督に思いを託していた

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 女子サッカー・INAC神戸レオネッサの安本卓史社長が、12日放送のラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)に電話出演。「2022-23 Yogibo WEリーグ」第6節、三菱重工浦和レッズレディース(浦和L)戦で劇的な勝利を収めたチームの裏側を語った。

 前年度の皇后杯覇者で同節を迎えるまで首位の浦和Lと、WEリーグ初代女王・INAC神戸の直接対決。今シーズンのWEリーグで前半戦の1つの山場となった試合は、INAC神戸が前半の18分にDF守屋都弥選手の左足ダイレクトボレーシュートで先制。しかし、その後はホームの浦和Lの圧力に苦しめられると、64分(後半19分)に浦和LのMF清家貴子選手に技ありゴールを決められ、試合は振り出しに。それでもINAC神戸は粘り強く戦うと、迎えた終盤の88分(後半43分)、待望の決勝弾が生まれる。果敢な攻め上がりを見せたDF土光真代選手が右クロスを送ると、FW田中美南選手がうまくコントロールし、最後はFW高瀬愛実(※高=はしごだか)選手がワントラップから右足で強烈なシュートをゴールネット上に突き刺した。2-1で勝利したINAC神戸は勝点を13に伸ばし、得失点差で首位に浮上。今シーズン初黒星を喫した浦和Lは勝点12のままで、3位に後退した。

 赤﨑夏実と元Jリーガーの近藤岳登がパーソナリティーを務める番組に「前日の試合の興奮を伝えなければいけないと思った」と、緊急電話出演したINAC神戸の安本社長。実はこの浦和L戦に臨むにあたって、朴康造(パク・カンジョ)監督にプレッシャーをかけてしまっていたと振り返る。

「5月14日、国立で浦和に敗れた(「2021-22 Yogibo WEリーグ」第21節、0-1)。(昨シーズンの)足りなかったピースが、あのときの勝ち。今年の借りは今年のうちに返したかった。カンジョ(朴監督)にプレッシャーをかけてしまった。ハーフタイムに(ロッカールームへ)行く前にも目があって、『頼むぞ』と(伝えた)。プレッシャーでしかなかったと思うが、とにかくどんな形でも勝って帰るぞという思いだった。それでも、カンジョは浦和戦に強い!」(安本社長)

 朴監督はヴィッセル神戸でプレーした現役時代、2010年シーズン最終節の浦和レッズ戦で得点を決め、「奇跡のJ1残留」に大きく貢献した経験がある。安本社長は、当時を彷彿とさせるような朴監督の勝負強さについて、同年に朴監督とプレーした近藤とともに回顧。近藤は「カンジョさんが感情を表に出すのは珍しかった」と、今回の浦和L戦終了直後に朴監督が見せた渾身のガッツポーズに驚いていた。

朴康造監督(写真:ラジオ関西)

 また、安本社長は、試合の2、3日前に朴監督が選手に発破をかけていたことも明かす。「戦術のことだからあまり言うことはできないが、今回は選手に対して、『前半から前に運んでほしい』と。昨年はディフェンシブにいったところもあったが、昨年の戦術とは違い、『今回は監督の命令と思ってやってほしい。特に前半10分、ここで圧をかけてほしい』と(伝えていた)。そういうのはメッセージであったので」(安本社長)。指揮官の思いを受けたINAC神戸イレブンは、その意に応えて先制点を獲得し、試合の主導権を握った。

 さらに、安本社長は、自身がヴィッセル神戸の幹部として在籍時の選手で、今シーズン限りで現役を引退した渡部博文氏(柏レイソル、栃木SC、ベガルタ仙台、ヴィッセル、レノファ山口FCでプレー)が、INAC神戸の練習に参加し、チームにアドバイスを送ったことも好影響があったと語る。

「彼は3バックをよく知っている選手だが、(INAC神戸は)思った以上にレベルが高かったようで、『これは強いですね』と言ってくれた。コーチングのところなどを若い選手たちにアドバイスしてくれた。浦和Lに石川璃音選手という大型CBがいるが、石川選手対策としても渡部さんに来てもらってよかったとコーチングスタッフは言っていた。そういったことも含めて、いろんな対策をしてきたのがよかったなと(いう思い)」(安本社長)

 ただし、「浦和Lは強い! (ボールを)ガンガン、(INAC神戸の選手の)間を通してくる。清家選手のシュートもそこから決めるかと(驚いた)」と、相手の強さを称賛した安本社長。そのうえで、ライバルに勝った価値の大きさをかみしめる。「まさに全員の勝利。ここからは総力戦になると思うが、どの選手が出ても、出てない選手の分も頑張ってくれると思う」と述べるINAC神戸のリーダーは、「チームが前に行っている分、リスクも高いなか、リスクを背負っている分、得点をとろうというチームのコンセプトが、(リーグ戦)5試合でいい方向に行っている。首位に立っているのは選手たちの自信に、そして、一番は監督の自信になっている」と手ごたえを語った。

 このいい流れを受けて、INAC神戸は今週末の12月18日(日)、「皇后杯 JFA 第44回全日本女子サッカー選手権大会」4回戦で、なでしこリーグ1部のASハリマアルビオンと対戦する(兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場、午後2時キックオフ予定)。昨シーズンはまさかの皇后杯初戦敗退という屈辱を味わったチームにとって、このタイトルにかける思いは強いという安本社長。「ぜひ応援よろしくお願いします!」とファン・サポーター、リスナーへ呼びかけていた。

(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』)
『カンピオーネ!レオネッサ!!』番組パーソナリティーの赤﨑夏実と近藤岳登(写真:ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』)

◇水野選手が負傷、全治約8か月
 INAC神戸は13日、MF水野蕗奈選手が神戸市内の病院にて検査を行い、左ひざ前十字靭帯断裂と診断されたと発表した。全治に約8か月を要する見込み。水野選手は12月4日の「2022-23 Yogibo WEリーグ」第5節、ちふれASエルフェン埼玉戦で負傷し、前半14分で途中交代していた。

◇入団内定の桑原選手が会見
 2022-23シーズンの新戦力としてINAC神戸への加入が内定している桑原藍選手(18)の記者会見が、13日に広島市のAICJ中学・高等学校で行われた。桑原選手は「トップレベルの環境で自分のストロングポイントをいかしたい。若さや、スピード、ドリブル技術をいかして(ポジションを)勝ち取りたい」と抱負をコメント。その場で背番号が20に決まったことも発表された。

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カンピオーネ!レオネッサ!! | ラジオ関西 | 2022/12/12/月 18:30-19:00

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