サッカー・J1のヴィッセル神戸に所属する元日本代表DF槙野智章選手(35)が、24日深夜に生放送されたテレビ番組で、現役を引退すると発表した。
1987年5月11日生まれ、広島県広島市出身の槙野選手は、闘志あふれるディフェンス、鍛えぬいた身体能力をいかしたプレーが特長のセンターバック。対人に抜群の強さを発揮し、得点力のある超攻撃的DF=「DFW」としても脚光を浴びてきた。また、明るいキャラクターも兼ね備えるJ屈指のエンターテイナーは、“槙野劇場”と言われる様々なパフォーマンスなどでもファン・サポーターを魅了してきた。
地元・サンフレッチェ広島の育成組織を経て2006年からトップチームに昇格してプロ入り。2010年シーズンには海を渡りドイツのケルンでプレー。2012年には日本に戻ると、浦和レッズで10シーズンにわたって中心選手として活躍し、数々のタイトル獲得に貢献した。そして、現役ラストイヤーとなった2022年はヴィッセルのユニフォームに袖を通し、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ選手らとともにピッチに立ち、限られた出場機会のなかでもJ1やACLなど各大会で奮闘。J1では歴代25位となる415試合に出場し、DFながら46得点を記録した。また、日本代表としてもAマッチ38試合出場4得点という数字を残し、2018年には念願のワールドカップ出場(「2018 FIFAワールドカップ ロシア」)も果たしている。
さらに、現役ラストイヤーとなった2022年は、ヴィッセルでのプレーのみならず、クラブ応援番組のラジオパーソナリティーを務めたり、日本代表戦の解説を務めたりするなど、ピッチ内外で精力的に活動。シーズン終了後、11月からカタールで行われた「FIFAワールドカップカタール2022」ではABEMAで現役選手としては異例の現地解説を担当し、本田圭佑とのやりとりなどでも話題になった。
槙野選手は12月26日(月)正午より、神戸で「現役引退および槙野劇場第二章 開幕宣言会見」と題して記者会見を行う。この模様はヴィッセル神戸公式YouTubeチャンネルで配信される予定。
槙野選手はクラブを通じて、次のようにコメントしている。
「ヴィッセル神戸を愛する皆様へ。私、槙野智章の航海はここで終わりとさせて頂きます。これまで荒波に揉まれながらも、 たくさんの方の応援、励ましのおかげで ここまでくる事が出来ました。ここ神戸という街に上陸し、 新しい発見がたくさんありました!
それは僕のこれまでの旅で感じられなかった 経験や、見つけられなかったモノがここにはありました。僕の宝物であり、財産です。幸せな航海でしたよ。皆で大きな船に乗り、旅した1年。 そして17年という時間はかけがえのない時間です。次の旅の準備は出来てます!! サッカー界のお祭り男 槙野智章 第二章の開幕です。最後に一言 ♪どんな事があっても忘れはしない。 命ある限り神戸を愛したい♪ 」
◇ヴィッセル応援番組でも「二刀流」の活躍
槙野選手は、今年4月から11月まで、クラブの現役選手としては異例の月イチパーソナリティーとして、ヴィッセル神戸応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西)に出演。プレーとラジオの「二刀流」を体現していた。オンエアでは、自身の独特なルーティンを明かしたり、イニエスタ選手との秘話やチームメイトの知られざるキャラクターを紹介したりするなど、小気味いいトークで番組を盛り上げていた。
出演が最後となった11月7日放送回では、リスナーに向けて、「このラジオを通して、ヴィッセル神戸の素晴らしさ、一人ひとり選手の素晴らしさを伝えることに僕は力を注いできました。これからも1つでも多くの話題を届けられるように僕も頑張っていきたいと思っています。1年間ありがとうございました」とコメントしていた槙野選手。現役でのプレーに区切りをつけたなか、“槙野劇場第二章”ではどんな姿を見せてくれるのか、期待は膨らむ。