“大半が135度” 靴下のかかと、なぜ「直角」じゃないの? 背景に「生産効率」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“大半が135度” 靴下のかかと、なぜ「直角」じゃないの? 背景に「生産効率」

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『無印良品』で販売されているすべての靴下は“かかと部分が90度”になっていることを知っていますか? 一般的な靴下は120度、または135度とされていますが、無印良品では「ひとのかかとは直角。だから、かかとを90度に編みたてました」と打ち出しています。

 ここまではっきり言われると、確かに90度の方が……と納得してしまいそうですが、世の多くの靴下は圧倒的に135度がメジャーなのです。その理由を、日本靴下協会(東京都中央区)に聞きました。

普段なにげなく履いている靴下。かかとの角度について考えてみたことはありますか?

 日本靴下協会によると世の靴下のほとんどが135度である理由は「生産効率と履き心地のバランスを取った結果」とのこと。

「まず、機械で作る最も効率の良い靴下は筒状であること、つまり全く角度が無い靴下となります。靴下を機械で編む際に難しいのが“かかと”の部分であり、角度をつけるほどかかと部分の面積が増え、生産時間もかかり機械も複雑となっていきます。筒でも履けないことはないのですが、履き心地は保証できません。90度は“履くには理想”とされていますが、機械で編むのが難しい。なので、ちょうどいいバランスを取ったのが135度の靴下だったのです」(日本靴下協会)

一般的な靴下の角度は135度とされている

 135度の理由は「生産効率と履き心地が歩み寄った結果」ということに加え「90度が必ずしも履き心地が良いとは限らない」とも協会は強調します。

「現在靴下に使われている素材は伸びがよく、135度でも履き心地に問題はないと考えています。ずっと座っているのならまだしも、動いていれば足首は伸びて90度を維持し続けることはありませんし、どの角度が良いかは個人のフィーリングにもよるかと思われます」(日本靴下協会)

 いっぽうで、今までにない独自の編み機を開発、長い年月をかけて研究・改良を重ね「直角靴下」を販売する無印良品。「かかとの形と同じ直角だからすっぽりと包み込まれる」「余分な生地がなく動いてもずれにくい。そのため、はき口のゴムを強くする必要がなく足をしめ付けない」などメリットをあげています。

 無印良品を運営する良品計画によると「購入者の方からの評判も良く、リピート買いされる方も多いです」とのこと。

無印良品で販売されている靴下はすべて「直角」。研究を重ね開発された

 ☆☆☆☆

 履きやすさのほかにも、冷え性には保温靴下、おしゃれするなら柄の入った靴下など、選び方は人それぞれ。この冬、靴下にこだわってみるのもいいかもしれませんね!

(取材・文=宮田智也 / 放送作家)

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