下水からリンを回収する取り組みを行っている神戸市。そのリンを用いた園芸用肥料について、これまでは農家用に販売していましたが、この年末から一般にも販売を開始しました。世界情勢により肥料価格が高騰するなか、日本ではほぼ全量を輸入に頼っている貴重なリン資源を地域で循環させるSDGsの取り組みとしてもPRしています。
市の下水資源の有効利用を図るため、下水からリンを回収し、「こうべ再生リン」として再利用を行っている、神戸市。そのリンは有機質肥料などと配合し、環境にやさしい肥料「こうべハーベスト」として、市内の農家に販売されています。また、「こうべハーベスト」を利用して作られた野菜「こうべ旬菜」やお米は、学校給食にも利用されています。
このたび、その園芸用肥料「こうべハーベスト」が、いま、「こうべSDGs肥料」として一般向けにも展開されています。規格は1kg(菜園・花壇約15平方メートル分)で、野菜、果樹、花き全般用。希望小売価格は500円~600円程度。12月20日からホームセンター「アグロガーデン」の神戸市内2店舗、12月26日からはJA兵庫六甲の市内直売所10店舗で販売されています。
窒素・カリウムとともに肥料の三大要素であるリンは食料生産に欠かせませんが、そのもととなるリン鉱石は世界的にも不足しており、日本ではすべてを輸入に頼っています。また、コロナ禍や世界情勢による穀物価格や輸送費の高騰に伴い、価格も大きく上昇しています。輸入原料に頼らない取り組みとして、神戸市の下水処理場から回収したリンを「こうべ再生リン」と名付け再利用しており、この取り組みは、神戸独自のものになります。
神戸市経済観光局農政計画課係長の藤原啓さんは「以前に、イベントでサンプルを配布したのですが、この取り組みを知っていただいている方も多く、SDGsへの関心が高まっていると実感しました。また、これまでも『ぜひ使ってみたい』というお声をいただいていました。今回、家庭で使っていただける1kg入りの肥料を、ホームセンターなどで購入いただけることとなりましたので、この肥料でお野菜などを育てていただき、SDGsの取組みに参加いただければと思います」と話していました。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2022年12月25日放送回より
◇「こうべSDGs肥料」について
【こうべSDGs肥料の一般販売を開始します(神戸市HPより)】
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