人を乗せて空を移動する「空飛ぶクルマ」について、国土交通省が、暫定的な有人飛行を想定して操縦者にライセンス付与することなど新たな制度を検討している。「空飛ぶクルマ」は2025年大阪・関西万博に向けて実用化が進む。
固定翼機やヘリコプターなどの回転翼機の操縦ライセンスは、型式ごとに付与されている。空飛ぶクルマについても踏襲するという。ただ、国交省は空飛ぶクルマのライセンスについて、将来的に1種類のライセンスで複数の型式を操縦可能にするシステムの導入を検討する。
「ブラックボックス」とは、航空業界でフライトレコーダー(飛行記録装置)とボイスレコーダー(音声記録装置)のこと。これらは旅客機や、大きさが一定以上のヘリコプターに義務付けられている。事故やトラブルの原因究明に役立てるため。国交省は空飛ぶクルマについても重量などに応じて義務化し、小型機も記録装置(簡易型)の装備を検討するという。
・・・・・・・・・・・・・・・
■「空飛ぶクルマ」運航事業者公募も
大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は「空飛ぶクルマ」を万博会場・夢洲(大阪市此花区)近辺で実用化するため、運航事業者の公募を始めた。航空会社や商社などを念頭に複数の応募を見込み、2023年1月20日に締め切る。その後、同月末にも事業者を公表する。
博覧会協会は夢洲近辺の離着陸場(ポート)として、直線距離で約30キロ離れた関西国際空港(大阪府泉佐野市)や湾岸エリア(USJ・ユニバーサルスタジオジャパン 大阪市此花区)、大阪市中心部(キタ=梅田またはミナミ=難波)の3か所を想定している。
大阪府も、「空飛ぶクルマ」の実用化に向けて民間企業などとつくる「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」で、離着陸場を整備する事業者に、2023~2024年度の2年間で最大5千万円を補助することを決めた。具体的には、事業者が大阪・関西万博までに府内に5か所程度のポートを整備することを想定している。