大阪平野の地層に、海でたまった泥の地層と川のはたらきで陸地にたまった砂や泥の地層が交互に重なっている様子が分かるボーリングコア(地層から円柱状に抜き取った試料)、接着剤を用いて地層を薄く採集した「はぎ取り標本」を間近で観察できるほか、縄文時代のクジラの骨、現在は大阪周辺にはいない貝の化石なども。大阪層群の総合層序図と照らし合わせながら見ると時代の違いを実感でき、さらに興味深い。
展示室は、進むにつれて「地表」に近づいていく。地下をすみかとするタヌキなど動物の剥製、ハサミシャコエビのユニークな形状の巣穴標本、地中にいるクマゼミ幼虫のリアルな拡大模型なども。
石井学芸員は「地球の中はどうなっているのか知りたくても、実際に自分で穴を掘って調べられるのはせいぜい数十センチ。その先はどうなっているのか、どうやって調べるのかを調査に用いる機材や実物資料を通して知ってもらえたら」と話している。
会期中、以下の関連イベントを予定している。
▽1月22日(日)14時~15時半 講演会「海のアングラに生きる:底生生物の巣穴と生痕化石」産業技術総合研究所・地質調査総合センター、清家弘治さん。事前申し込みが必要(2023年1月10日必着)で、定員170人(定員を超えた場合は抽選)。要入館料。
▽1月21日(土)13時~14時半 オープンセミナー「菌類学講座2023 ミクロに潜むディープな世界 冬虫夏草を探る」日本冬虫夏草の会理事、東勇太さん。申し込み不要、先着170人。要入館料。
▽2月18日(土)13時~14時半、オープンセミナー「大阪城の地下に眠る石垣」大阪市立自然史博物館館長、川端清司さん。同。
いずれもYouTubeを使った同時配信と会期末までの見逃し配信がある。配信での受講は申し込み不要。その他、自然観察会や子ども向けワークショップなどさまざまなイベントあり。
詳しくは同博物館公式ホームページに掲載されている。
◆特別展「大阪アンダーグラウンド RETURNS掘ってわかった大地のひみつ」
大阪市立自然史博物館
会期:2022年12月17日(土)~2023年2月26日(日)
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:1月9日以外の月曜日と1月10日、12月28~1月4日
観覧料(税込):大人500円、高大生300円。
問い合わせ:大阪市立自然史博物館、電話06-6697-6221
【公式サイト】