林歳彦氏（会社経営者・環境活動家）と、フリーアナウンサーの田中大貴（元フジテレビアナウンサー）がパーソナリティーを務めるラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー！やってみよう！！』（ラジオ関西）2023年1月9日放送回では、大阪の老舗シティホテル「ホテル プラザオーサカ」取締役・菅原真太郎さんがゲストとして登場。コロナ禍の低迷から回復の兆しを見せるホテルの現状について話を聞いた。
1986年創業の老舗大型ホテルである「ホテル プラザオーサカ」。同ホテルで取締役を務める菅原さんは、前回の出演（2021年9月20放送回）で「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、売上が大幅に落ちた」と語っていたが、現状を尋ねると「コロナ前と比べると、8～9割は（売上が）戻ってきた」と状況が良くなってきたことを明かした。
「忘年会や新年会などの予約も多くいただいていますし、皆さまも久しぶりの忘年会や新年会ということでとても楽しまれているような感じです。12月頃の宴会場やレストランは非常に込み合っていましたね。最近もちょっと大きなイベントを実施したんですが、ほぼ満席になるような状況で、かなり人の流れは戻ってきているなと思います」（菅原さん）
コロナ前と比べて一時は売り上げが90パーセント以上落ち、ホテルがほぼ無人状態だったこともあったと振り返る菅原さん。そんな状況を耐え抜き、ようやく経営が回復してきた今の目標は「コロナ禍でできなかったイベントなども積極的に開催する」こと。さらに「とにかくコロナ禍でかなり傷んだ部分があるので、コロナ前に戻していきたい」と前を向く。
そして、「コロナ禍真っ只中のときに地域の方に本当に助けていただいた。食事に来てくださったり、何かしら（ホテルを）ご利用いただいて『大変やけど応援してるよ』と言ってくださる方も多くて、そこに対して還元する、恩返しする年にしたい」と、地域の人々への感謝の思いが強いという。
一方、コロナ禍の影響で経営規模を縮小していた観光業界は、コロナ前に戻りつつある今、“人手不足”に悩む声も多いのだそう。「プラザオーサカも同様に人手が足りず困っている」という菅原さんは、「もともと外国人スタッフが多く在籍しているのですが、そういったところをさらに増やしています。あとは1人2役というか、マルチタスクを皆に頑張ってもらって、なんとかしのいでいるという状況です」と現状を吐露していた。
まだ完全回復とは言えない状況でも、「今後はインバウンドに関してもコロナ前くらいまでに戻ってくるかなと思いますので、観光業界にとって2023年は非常に前向きな、明るい年になるかと思いますし、そう願っています」と、ホテル業界における光明を感じている菅原さん。2年後の2025年には大阪・関西万博の開催もあるため、すでに万博関連の宿泊の問い合わせも来ているのだそう。これからも徐々に人の流れが戻ることが予想されるが、だからこそ「競合他社との差別化も図っていきたい」と、大阪の老舗大型ホテルとしての自負を示す構えだ。
「コロナ禍でも大阪に競合他社さんがすごく増えたので、そのあたりはコロナ前と同じ戦い方では難しいかなと。（プラザオーサカのある）十三エリアはそんなにホテルがないのですが、大阪の北エリア・南エリアを中心に、かなりホテルが増えていて……そこの差別化をどう図るかですよね。我々のホテルは客室数の多さをはじめ、レストラン・宴会場もある複合型ホテルで、お客さまのどんなご要望にもお応えできるという強みがありますので、そこをもっとアピールしていきたいと思っています」（菅原さん）
番組の最後に今後の展望について問われた菅原さんは、「本当に苦しんだぶん、今年は反転攻勢の1年にしたい。とにかく何事にも積極的に取り組んでいきたいです」と、「ホテル プラザオーサカ」としての意気込みを述べていた。
