兵庫県の斎藤元彦知事が12日、ラジオ関西の生番組に出演し、兵庫県内も新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行期に入ったとして、注意を呼び掛けた。一方でマスクの着用やワクチン接種などの基本的な対策を取ることで、「過度に恐れる必要はない」ことを強調した。
新型コロナはオミクロン株の流行で県内でも感染が急速に広がり、1月6日には1万2210人と過去最多に匹敵する感染者数を記録した。さらにインフルエンザは医療機関の定点観測で、5日に流行の目安となる数値を超え、同時流行期に入ったことが裏付けられた。
こうした現状を受け斎藤知事は、高齢者や基礎疾患のあるリスクの高い人は、体調がすぐれないときは早めに受診することを呼び掛け、若い人や症状の軽い人は自宅での検査や療養を要望した。
知事は、新型コロナによる死者が二桁に上昇していることに憂慮を示し、少しでも減らすためにも、マスクやワクチンなど基本的対策をしていくことが大切とした。とくにワクチンについては、若い人を中心に接種していない割合が増えていることに対して、「社会全体を考えて協力していただきたい」と呼び掛けた。
リスクが高い人が受診や入院できるよう社会全体で取り組む重要性を指摘。県の補正予算で、発熱外来の診療時間延長や休日診療の充実などに向け、医療機関への支援を実施することにした。
また、新型コロナの感染症法上の分類を季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる議論が進んでいることに対して、斎藤知事は「引き下げた場合もワクチンや医療費を引き続き公費負担するよう国に要望したい」と述べた。