1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から、今日で28年。この時期に、非常用持ち出し品や食料備蓄などを見直す人も多いでしょう。そこで今回は、災害への備えの一つ、兵庫県が2005年に始めた「兵庫県住宅再建共済制度」(フェニックス共済)について担当者に話を聞きました。
甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災。なかでも家屋の倒壊による被害が大きく、全壊は約10万5千棟、半壊は約14万4千棟にのぼりました。被災地の住宅再建に大きな困難が生じ、コミュニティや地域経済など被災地域全体の復興にも影響が及びました。
その経験と教訓を踏まえ、災害後の速やかな住宅再建を支援するために誕生したのが「フェニックス共済」。住宅を所有している人が加入し、平常時から資金を寄せ合うことによって、災害発生時に被害を受けた住宅の再建・補修を支援する共済制度です。地震や津波だけではなく、風水害、豪雪被害など、あらゆる自然災害に対応しています。
年間5,000円の掛金で、自然災害で自宅が全壊・半壊した場合に、再建や購入には600万円、補修には最大200万円が支給されます。3年以上の共済掛金を一括して支払う場合には1,000~5,000円の割引も。また、年間1,000円追加すれば、家財分として、さらに最大50万円の給付を受けられます。
兵庫県の担当者は、「今後30年以内に70%~80%の確率で発生するとされている『南海トラフ地震』では、全壊、半壊の建物が県内で21万5千棟にのぼると想定されています。現在は対象の住宅のうち約10%が加入していますが、今後はより多くの住宅に加入してほしいと思います」と話します。
兵庫県はフェニックス共済をPRするため、地元兵庫県は養父(やぶ)市出身の阪神タイガース・坂本誠志郎捕手とのコラボポスターを作成。りりしいキャッチャー姿で、「そなえこそ、いちばんの守り!」と呼びかけます。「“ホームを守る”ということで、野球のホームベースと住宅のホームをかけています」と県の担当者。
ほかにも、今年度からは「応援企業制度」も実施。共済制度を従業員へ紹介したり、事業所にポスターやリーフレットを置いて普及に協力したり、「フェニックス共済」を応援する企業や団体の登録制度だそうです。