3人はあわてますが、ルームシェアをしていると嘘をついてその場をしのぎます。ところがなっちゃんの母親から、故郷の岐阜県郡上市の実家でとり行う葬儀に参列するよう誘われてしまいます。
3人は誘いを断れず、なっちゃんの秘密を隠しながらきちんとなっちゃんとお別れしたいという思いもあり、“普通のおじさん”に扮して車で郡上八幡へ向かうことにしました……。
なっちゃんの親友として主人公の“バージンぴゅあぞう”を演じるのは滝藤賢一です。ドラァグクイーン仲間の“モリリンストーン”が渡部秀、“愛欲ズブ子”が前野朋哉です。
なっちゃんの母親役は松原智恵子、なっちゃん役はカンニング竹山です。
メインの3人のキャラクターは、滝藤が扮するバージンがオネエの中のお姉さん、つまり3人のリーダー格。前野のズブ子がIKKOさん風の役柄です。渡部が演じるモリリンが2人の間を取り持つ役割で、一番女子っぽいキャラクターです。3人とも自由に生きているのですが、それでも世間の目を気にしていて窮屈さを感じています。
ドラァグクイーンとして盛り盛りのメイクをしてセクシーな衣装に身を包み、ダンスを披露する場面が見事で、役者3人が時間をかけて役づくりへ取り組んだことが分かります。特に渡部はきれいです。
3人が郡上八幡で行われるなっちゃんのお葬式へ向かう途中でイケメン男性にひと目惚れをしたり、旅館が見つからず野宿する羽目になったり、ケンカと仲直りを繰り返しながら旅をするロードムービーとしても楽しめます。
監督は、今作が監督デビューとなる田中和次朗で、オリジナルストーリーとして脚本も手がけています。
主題歌は、渋谷すばるがこの映画のために書き下ろした「ないしょダンス」です。
映画『ひみつのなっちゃん。』は、全国の映画館で公開中。(SJ)