18日午前6時半過ぎ、兵庫県淡路市の育波漁港(淡路島)内で「男性が仰向けに浮いている」との通報があり、神戸海上保安部が巡視艇を派遣、男性を引き上げたが、発見から約1時間後に死亡が確認された。
神戸海上保安部によると、死亡したのは70代の男性(兵庫県たつの市在住)で、現場近くで男性が乗っていたとみられるミニボートや釣り竿、クーラーボックスが発見された。男性はライフジャケット(救命胴衣)を着けていたという。
家族への聞き取りから、神戸海上保安部は男性が1人で釣りに出掛け、海中転落した可能性が高いとみている。当時の天候は晴れ、北西の風3メートルで波も穏やかだった。
■油断禁物、釣り中もライフジャケットを
海上保安庁によると、2021(令和3)年に釣り中の事故者は全国で326人で、このうち97人が死亡した。
状態別では、海中転落が249人と最多。このうち、ライフジャケット未着用が175人と約7割を占めた(いずれも確定値)。
ミニボートは通常の小型船舶よりさらにコンパクトで、船内で立ち上がった程度でバランスを崩し、転覆・海中転落する危険性が高いという。また、ミニボートが横波を受けると船体は左右に揺れ、転覆の危険もあるため、波の向きにも注意し、ライフジャケット着用の徹底を呼びかけている。