日本製鉄 姫路・広畑地区工場 エックス線被ばく重傷事故 兵庫県警、業務上過失傷害容疑で社員2人書類送検 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

日本製鉄 姫路・広畑地区工場 エックス線被ばく重傷事故 兵庫県警、業務上過失傷害容疑で社員2人書類送検

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 日本製鉄瀬戸内製鉄所・広畑地区工場(兵庫県姫路市)で2021年5月、エックス線装置の点検作業をしていた男性作業員2人が放射線を浴びた事故で、兵庫県警は20日、工場の設備部門の男性社員2人(A=59歳・B=52歳)を業務上過失傷害容疑で書類送検した。

事故が起きた日本製鉄瀬戸内製鉄所・広畑地区工場(兵庫県姫路市広畑区富士町)

 2021年5月29日午前、この工場で男性作業員2人が、検査室でエックス線を照射してメッキの厚みを測定する装置を整備、点検作業していた。
 2人は翌日に体調不良を訴え、手が腫れるなどし、高度な被ばく医療を行う広島大学の専門医療施設に入院、治療を受けた。現在も自宅療養しているという。

 厚生労働省は当時、この作業中にエックス線が照射されたままの状態になり、2人が大量の放射線に被ばくしたとの見解を示していた。そして事故後の2021年6月、放射線を扱う業界団体などに対し、点検作業を行う場合は装置への電力供給を停止することなど、被ばく防止の徹底を求める通知を出した。

兵庫県警本部

 業務上過失傷害容疑については、安全装置が正常に作動していなかったことが兵庫県警の捜査で判明。検査室には従来、出入口のドアを開けるとエックス線の照射が止まる機能が備わっていたが、A(班長)は1999~2001年、この機能を無効化したまま放置した疑いが持たれている。
 自らも被ばくしたB(係長代行)は、事故当日に検査室に入る際、装置の電源スイッチが切られているか確認を怠ったという。その結果、ともに作業していた部下の30代男性作業員に約20分間エックス線を浴びせ、急性放射線皮膚炎などのけがを負わせた疑い。兵庫県警は2人の認否を明かしていない。

姫路労働基準監督署

 また、姫路労働基準監督署も同日、法人としての日本製鉄と、エックス線装置の管理責任者(C=55歳)を労働安全衛生法違反容疑で書類送検した。
 送検容疑は、エックス線装置がある検査室内に電源が入っていることを知らせる表示灯や警報ブザーなどを設置せず、安全対策を怠ったとしている。

 日本製鉄は、「事故の再発防止に尽くす」とコメントしている。

LINEで送る

関連記事