今年開館50周年を迎える神戸文化ホール(神戸市中央区)で、2023年度から3か年にわたり、記念の演奏会や舞踊、演劇公演などが続々と開催される。同ホールを運営する神戸市民文化振興財団がこのほど会見、ラインアップの詳細を発表した。
皮切りは、世界的マエストロ山田和樹を迎えた、神戸市室内管弦楽団、神戸市混声合唱団による5月19日のガラ・コンサート「神戸から未来へ」。神戸が生んだ天才作曲家、大澤壽人(1906~1953年)の「ベネディクトゥス幻想曲」を世界で初めて生演奏する。そのほか武満徹、山本直純、神本真理(神戸市出身)ら日本人作曲家の作品を集めたプログラムで、俳優、宇田琴音(14)=兵庫県出身=による語り、児童合唱団のコーラスも加わり、名曲を華やかに披露する。
10月21日には反戦を題材としたバレエ「緑のテーブル2017~神戸文化ホール開館50周年記念Ver.~」(構成・振付・演出、岡登志子)を上演。神戸を代表するバレエカンパニー「貞松・浜田バレエ団」の貞松融代表(90)、振付家としても活躍する中村恩恵をはじめとする50人のダンサーが登場する。
さらに12月には「ハイドン『オラトリオ《天地創造》」コンサート(鈴木秀美指揮、神戸市室内管弦楽団など)、2024年1月には音楽劇「ジャズ大名」(筒井康隆原作)も。2023年度公演は、神戸にちなんだ「港町讃歌」シリーズとなっている。続いて2024年度は生誕460年に当たるシェイクスピアから「劇場讃歌」、2025年度は戦後80年と阪神・淡路震災30年から「人間讃歌」をテーマとした公演を予定。
貞松・浜田バレエ団の貞松代表は「私が中学生の頃、戦争で神戸も丸焼けになった。その後、文化不毛の地だった神戸に『芸術の場が必要だ』と、市関係者らが愛を込めてこのホールを建ててくれた。そして今日まで文化芸術の花が咲き誇っている」と話した。
同ホールは1973年に開館。施設の老朽化を受け、2027年度以降、三宮に段階的に移転することが決まっている。
記念公演についての問い合わせは神戸文化ホールプレイガイド、電話078-351-3349(10:00~17:00)