「カルチャーショックだった」 舞台美術家・杉山至が語る、劇作家・平田オリザとの出会い | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「カルチャーショックだった」 舞台美術家・杉山至が語る、劇作家・平田オリザとの出会い

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 杉山さんの言葉に対し、平田さんは「そういうこと(“モノと空間のコミュニケーション”)を先に考えていて。それを杉山さんが具体化してくれる」とコメント。さらに、「認知心理学の概念である“アフォーダンス”の研究者によると、『人間は主体的にしゃべっているように見えて、実は座り位置の関係で発話が変わってくる』ということが科学的にも証明されている。アゴラ劇場は舞台と同じサイズの稽古場が2階にあったから、舞台が立ち上がってから何度でも修正ができた。やってみたら、あとで正しさが証明された感じですね」と振り返った。

 2021年からは芸術文化観光専門職大学准教授に着任した杉山さん。人・モノ・環境の関わり方から、状況や場の在り方を考えてデザインする「セノグラフィー」という視点を礎に、学生らとともに演劇やダンスの舞台美術プランをはじめ、地域の文化資源を活用した地域活性化事業や世界の舞台美術史のアーカイブ化に取り組んでいる。

 さらに、今年1月に上演された「たじま児童劇団」の舞台美術は学生らのアイデアをワークショップ形式で盛り込んだそう。

「舞台芸術の醍醐味(だいごみ)は1人の世界じゃない、さまざまな人のアイデアを生かせるところ。(芸術文化観光専門職)大学は実習の機会が多いため、各々の体験からおもしろい発想が生まれる」(杉山さん)

 杉山さんの話を聞いてから周りを見渡してみると、私たちの生活をとりまくインテリアやオフィスの配置、街の風景など、さまざまなものの見方が変わりそうだ。

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年2月2日、9日放送回より

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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

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