警察が運用しているバイク部隊で、主に交通関係の犯罪を取り締まる「白バイ」。運転中、その白い機体を見かけると、気が引き締まりますよね。
さて、皆さんは白バイのほかに「青バイ」と呼ばれる特別車両が存在していることをご存知でしょうか? 青バイとは、その名の通り青い機体が爽やかで印象的なバイク部隊「スカイブルー隊」のこと。なんと導入されているのは大阪府だけなのだそう。それにしても一体なぜ「青」なのでしょうか。また、白バイとの違いとは……? 大阪府警察本部・地域部地域総務課に所属し、地域部調査官をつとめる山本聡さんに詳しく聞きました。
「かつて大阪では、ひったくりをはじめとする路上強盗や車上狙いなどの“街頭犯罪”が多発傾向にありました。そんな街頭犯罪の予防検挙活動をおこなうため発足したのが『大阪スカイブルー隊』です。スカイブルーという名前には“大阪を青空のように澄みきった街に”という思いがこめられています」(山本さん)
白バイは交通違反や暴走族の取り締まり、パトロールが主な業務です。青バイはというと、街頭犯罪の取り締まりを目的に平成9年12月に発足しました。また、現在は街頭犯罪以外にもさまざまな犯罪を取り締まるべく日々活躍しているのだとか。
「特殊詐欺の犯人や覚せい剤・大麻などの薬物関係者の検挙活動、性犯罪をはじめとする各種犯罪の抑止活動、さらには交通指導や取り締まりなどもおこなっています。犯人が車やバイクで逃走しても緊急執行で追跡できるよう、赤色灯とサイレンを装備し備えています」(山本さん)
バイクならではの機動力と小回りがきく特性をいかした青バイは、街の裏通りにまで警戒の目を光らせ、多岐にわたって活動しています。
「府民からは『頼もしい』『安心できる』といった声をいただいています。また、小学生の登下校時の見守り活動や、キャンペーンで青バイを展示したときは子どもたちからも大人気です」(山本さん)
そんな青バイの活動や防犯カメラの設置といった取り組みが実を結んだのか、ピーク時の平成12年(2000年)には1万973件発生していたひったくりも、令和4年(2022年)にはなんと138件にまで減少しました。
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全国でも、大阪府警のみで運用されている「青バイ」。その台数は約30台と白バイに比べても少なめなので、大阪を訪れた際はぜひ探してみて。
(取材・文=つちだ四郎)