最も大きなライフイベントのひとつ“出産”。しかし日本では、妊娠や出産、育児などの負担を妊婦や母親一人で抱えるケースも少なくありません。とくに、お腹の中の赤ちゃんにとっても大切な栄養源となる妊娠中の食生活については、「これはダメらしい」「あれも良くないらしい」などさまざまなうわさが飛び交い、食事の内容に悩む女性も多いそうです。
今回、ラジオ番組『Clip』の「3435(さんぜんさんご)ぷろじぇくと)」コーナー(産前・産後の女性のケアに関わる情報を発信、ラジオ関西)で、気になる3つの食べ物や飲み物について、女性医師によるレディースクリニック「プリューム レディースクリニック」(兵庫県神戸市)の松本由紀子院長と、助産師の若林美紀さんに詳しく聞きました。
■コーヒー
まずは、妊娠中に控えた方が良いといわれることの多いコーヒーについて。「カフェインは控えるべき」というイメージで避けられることもありますが、じつは、徹底して避ける必要はないといいます。
WHO(世界保健機関)の2001年の発表によると、「カフェインの胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を一日3~4杯までにすべき」とされています。カフェインについて、さらに厳しい基準を設けているイギリスの食品基準庁でも、「1日にマグカップ2杯程度まで」との発表がなされていることもあり、週に2~3回、1日に1杯程度飲む程度なら問題はないとみられているそうです。
■キムチ
辛味が気になるキムチについても、週に1〜2回、小皿1杯分の50グラム程度を摂る分には問題がないといいます。塩分が高いため、摂りすぎると高血圧になりやすくなるリスクはあるものの、キムチを日本の漬物のような感覚で食べる韓国では、妊娠中でも通常通り気にせず食べる女性も多いそうです。
■カレー
スパイスやハーブがふんだんに使われるカレーも、週に1〜2回、通常の一人前程度なら気にせずに取り入れてもよいのだそうです。ただし、市販のカレールーを使って作る場合は、脂肪分が多いため食べ過ぎには注意ということでした。
松本院長によると、韓国やインドなど香辛料をよく摂る地域では、妊娠中も普段通りの食生活を続ける女性も珍しくないそうで、「妊娠中には、食事や生活習慣について、先入観や古いしきたり、うわさのような話もたくさんありますが、基礎疾患や持病のない標準体型の妊婦さんなら、まずはストレスを溜め込まずいろんな食材をバランス良く食べることが一番です」とアドバイスしました。
※ラジオ関西『Clip火曜日』2023年1月24日放送回より