2025年大阪・関西万博での運航を目指す「空飛ぶクルマ」の運航事業者として、国内航空会社やアメリカのベンチャー企業を含む4グループ・5社が選ばれた。運営する日本国際博覧会協会が21日、東京都内で発表した。
「空飛ぶクルマ」は、大阪・関西万博の事業のうち、6項目で構成される近未来の生活を体験できる先進技術の実証事業『未来社会ショーケース事業』のひとつ、”スマートモビリティ万博”に分類される。 万博会場の夢洲と、大阪市内中心部や関西国際空港を結ぶ。
博覧会協会は今後、具体的な運航体制やルートの検討に入る。有料運航(具体的な運賃は検討中)の予定。
博覧会協会が2022年12月27日から2023年1月20日まで募集していた。運行事業者に選ばれたのはANAホールディングス(全日空)、JAL(日本航空)、トヨタが出資するアメリカのベンチャー企業「ジョビー・アビエーション」 、国内で空飛ぶクルマを開発する「スカイドライブ」(愛知県豊田市)、大手商社・丸紅。万博会場となる大阪市此花区の人工島・夢洲の離着陸場(バーティーポート)の運営はオリックスが担当する。
ANAホールディングスは「ジョビー・アビエーション」が開発する機体を使用し、日本航空はドイツのベンチャー企業「ボロコプター」とタッグを組む。また丸紅は、イギリスの「バーティカル・エアロスペース」の機体を使用、「スカイドライブ」は、自社が開発する機体で運航する予定。
政府は、大阪・関西万博に向けた取り組みをまとめた「アクションプラン」で、最先端のモビリティー(乗り物)技術を実証するため、「空飛ぶクルマ」を遊覧飛行や2地点間の移動などでの活用を目指している。
発表会に出席した岡田直樹万博担当相は「世界中の人々に夢や驚きを与えることを期待している」と話した。そして「万博開催前に、国民に向けて魅力を伝える機会をつくりたい」として、5社にデモ飛行への協力を呼びかけた。