――製造を終了した理由は?
【品川さん】 徐々に需要が減ったことが理由です。みかんのネットに入ったレモン石鹸よりも、使いたいときに使いたい分だけ出せるポンプ式の液体石鹸商品の需要が高まったため、2014年に製造を終了しました。
弊社は今年で118年を迎えるのですが、創業当初から残っている商品はありません。ただ、それはマイナスな理由ではなく、時代に合わせてニーズ展開をしているためです。レモン石鹸の製造終了も「社会での役目にひと区切りついた」と考えています。
――現在、力を注いでいることを教えてください。
【品川さん】 創業当時から変わらず「社会に必要とされる企業となる」ということを追い求め続け、現在では「お客様の悩みを解決する商品」を提供することを企業理念として掲げています。具体的には、無添加のボディーソープやデオドラントのシャンプーなど、多くの人々の悩みを解決へと導く商品に力を注いでいます。
2021年からは、SDGsの一環としてボトルレスでプラスチックフリーの固形シャンプーの製造販売も行っています。従来、シャンプーは髪がきしむ成分を配合しないと固形化が難しかったのですが、弊社では髪がきしまない成分のみでの固形化に日本で初めて成功しました。これからも社会に必要とされる商品を提供していきたいです。
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レモン石鹸の誕生後、さまざまな企業で類似商品が製造されるようになりましたが、あくまでも「衛生管理を普及していこう」という思いがあったため、商標は取っていないのだそう。レモン石鹸、きしまない固形シャンプーをはじめ、今も昔も『衛生商品のパイオニア』として活躍する株式会社マックス。衛生管理が重要視されるこのご時世、手を洗う際にはレモン石鹸の誕生理由を思い出してみてはいかがでしょうか。
(取材・文=弘松メイ)