「儲からないと言ったのに…」 平田オリザの助言跳ね除け、商店街に劇場オープン 大阪・福島 3月3日から | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「儲からないと言ったのに…」  平田オリザの助言跳ね除け、商店街に劇場オープン 大阪・福島 3月3日から

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、劇団「青年団」所属の俳優・永井秀樹さんが電話出演。自身の生まれ育った大阪市福島区に小劇場を設立した経緯を語った。

劇団「青年団」所属の俳優・永井秀樹さん

 永井さんと平田さんの出会いは今からおよそ30年以上も前にさかのぼる。永井さんが現在所属している「青年団」とは別の劇団に所属していたころ、平田さんが運営するアゴラ劇場を借りるために赴く機会があったそう。

「軽トラックで2人きりになる機会があり『いい劇場ですよねえ』なんていろいろと話しかけたのですが、オリザさんはずっと不愛想で……。その後、なぜ青年団に入ったのかはいまだに不思議です(笑)」と笑いながら語った永井さん。

 これに対し、平田さんは「人見知りなんです(笑)」と弁明。さらに、「永井君は唯一、青年団の芝居を観ずに入団してきたので『裏口入学』と呼んでいる。実は、入団前に彼の芝居を観たことがあり、ものすごくくだらなくて面白かった(笑)。それが合格の理由ですね」と笑みを浮かべて当時を振り返った。

 そんな永井さんが、3月3日(金)聖天通商店街(大阪市福島区)に劇場をオープンさせる。もともと不動産会社を営んでいた実家を引き継ぐにあたり、空いていた土地を活用するなかで劇場の構想が浮かんだという。

「最初はスタジオにしようと思っていたのですが、スタジオにするくらいなら劇場にしてしまおうと。僕はやってから後悔するタイプなんです」と語る永井さんに、平田さんは「僕はね『劇場は儲からないよ』と止めたんです。でも彼は僕の言うことと反対のことをする(笑)」と戸惑い気味。

 だが、近年おしゃれな飲食店が増えている注目エリアの真ん中に位置するため、期待も大きい。3階建てのビルには、演者を間近に感じられる30人程度が収容可能な劇場を軸に、コンピューター制御が可能な調整室、洗濯や炊事も可能な広々とした楽屋も完備している。

 3月はこけら落とし公演として、柳家喬太郎独演会や旭堂小南陵・旭堂南龍講談会、劇団「青年団」による二本立てなど、魅力的なラインナップがそろい、早々に完売となった。

「ヨーロッパではよくある、『市民の手でつくる』まつりのような催しも作りたい。毎年同じ演目をかけて、『去年より今年は良かったな』なんて、街の人が近所の飲食店で飲みながら語り合うのが理想ですね」と永井さんが夢を語ると、平田さんは「早く名前を覚えてもらって、若手のスタートアップ地点になるといいですね」とエールを送った。

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年3月2日放送回より

☆☆☆☆☆

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

LINEで送る

関連記事