最も大きなライフイベントのひとつ“出産”。しかし日本では、妊娠・出産、育児などの負担を妊婦や母親ひとりで抱えるケースも少なくありません。
今回、ラジオ関西『Clip』内の産前・産後の女性のケアに関わる情報を発信するコーナーに、女性とその家族の出産をサポートする『産前産後ケアホテル ぶどうの木 京都院』の広報・齋藤樹奈さんがゲストで出演。「バースプラン」について解説しました。
さて、バースプランとはいったい何なのでしょうか?
「妊娠がわかったらまず考えるべき“お産の最中やその前後の過ごし方”のこと。日本語に直訳すると『出産計画』ですね。どのようなお産を望んでいるか、出産後や入院中にどのように過ごしたいのかなどの希望をまとめた計画表のことで、最近はSNSなどでその内容を発信し合う人も多いと聞きます」(齋藤さん)
実際にバースプランをたてる場合、どんなことを考えるべきなのか聞きました。
「軸として考えたいのはおもに4点です。【1】出産スタイル【2】家族の立ち会い【3】陣痛時や分娩中にしたいこと【4】入院中の生活について、です。とくに出産スタイルを中心に計画する方が多いですね。スタイルを大きく分けると、産道を通って赤ちゃんを取り上げる自然分娩と、お腹を切開して赤ちゃんを取り上げる帝王切開の2つ。どちらの方法にしても、まずは“知ること”から始めます」(齋藤さん)
自然分娩と帝王切開、どちらを選択するかは、妊婦と赤ちゃんにとってどちらの出産方法がより安全かという基準で、最終的には医師の判断で決定されます。齋藤さんによると、日本では「自然分娩でないといけない」という意識が根強いと言われていわれているのだそう。しかし、近年の厚生労働省の調査によると、およそ5人に1人は帝王切開で出産をしているという結果もあり、その実態は変わりつつあるといいます。
さらに、自然分娩の場合でも、自然に陣痛が起こるのを待って分娩台に仰向けに寝ながら出産する「普通分娩」のほか、あらかじめ出産日を決めて行う「計画分娩」、麻酔を使って分娩時の痛みを和らげる「無痛分娩」「和痛分娩」、陣痛を和らげるために温水の中で出産を行う「水中分娩」、お産のリズムに合わせ姿勢を変えながら出産する「フリースタイル分娩」と呼ばれるものまで、さまざまな“産み方”が用意されているとのこと。
「病院など、施設によっては細かい項目ごとに分かれた専用の記入用紙を用意するケースも増えており、バースプランはますます重要視されています。最終的には医師の判断による部分もありますが、まずは妊婦本人やご家族の希望を具体的に書き出して担当医師や施設に伝えましょう。そうすることで、よりスムーズに安心して出産にのぞめますよ」(齋藤さん)
※ラジオ関西『Clip火曜日』「3435(さんぜんさんご)ぷろじぇくと」2023年2月21日放送回より