フランスの高級宝飾ブランド・カルティエは、2025年大阪・関西万博に、女性の活躍を推進する「ウーマンズパビリオン」を出展する。
カルティエジャパンと日本国際博覧会協会、日本政府が共催する。国際女性デーの3月8日、構想や概要を発表した。
パビリオンの正式名称は「ウーマンズパビリオン イン コラボレーション ウィズ カルティエ (Women's Pavilion in collaboration with Cartier)」。
カルティエは2020年ドバイ万博で、万博史上初の「ウーマンズパビリオン」を出展した。「女性が自己実現すれば、人類全体が発展する」との考えから、”ジェンダー平等な社会”の実現に向けて、過去から現在にかけての女性の功績や、現在の課題と解決に向けた提言を発信した。
カルティエインターナショナル プレジデント&CEO のシリル・ヴィニュロン氏は、「世界で依然として重要な課題。多くの国で女性の地位は低く、平等な権利や義務を持っておらず、さまざまな困難に直面している」と指摘している。
国際女性機関(UN Woman)は、男女の違いにより生じる格差「ジェンダーギャップ」の解消には約100年かかると計算している。
このような実態を踏まえ、カルティエは、女性が尊厳を持って生きられる社会の実現を目指すため、世界的なスケールで発信することが必要だとして、大阪・関西万博での連続出展を決めた。こうしたテーマを通して、パビリオン来場者に「いのちとは何か」を考えてもらうことも視野に入れている。
世界経済フォーラム(World Economic Forum / WEF)が2022年7月に公表した「ジェンダーギャップ指数2022」では、日本は146カ国中116位、G7では最下位だった。特に政治・経済分野での遅れが目立つ。
日本でも、女性の権利を国際水準に引き上げることが重要な課題となっている。
ウーマンズパビリオンは、日本政府館に隣接して建設される。2千平方メートルの敷地が細長いため、これを生かして京都の町家のように風が吹き抜ける空間をイメージし、中庭も設けるという。
デザインは、ドバイ万博で人気を博した日本パビリオンを設計した建築家・永山祐子氏が担当する。大阪・関西万博が目指すSDGs(持続可能な開発目標)達成に向け、大林組などの協力で、日本パビリオンで注目された格子状のファサード(外観)を大阪・関西万博でも再利用するという。SDGs12番に挙げた「つくる責任・つかう責任」に基づき、万博終了後も、再利用を検討している。
コンテンツ制作などは、同じくドバイ万博でイギリスパビリオンを担当した、イギリス人の現代美術家・エズ・デヴリン氏が行う。
展示の詳細は明らかにしていないが、カルティエジャパンの宮地純CEOは、SDGs5番に挙げられる「ジェンダー平等の実現」のため、現代の女性の立場、視点、可能性にスポットを当てたいと話した。そしてパビリオン内には女性の視点を重視しながら、さまざな課題の解決について解決策を探るためのディスカッションスペースを設ける。
【カルティエが出展する大阪・関西万博「ウーマンズパビリオン」Women's Pavilion in collaboration with Cartier facade image © Cartier】
【カルティエ「ウーマンズパビリオン」コンテンツ制作 現代美術家・エズ・デヴリン氏メッセージ】
【2025年大阪・関西万博 公式ウェブサイト】
【カルティエ 公式オンライン ブティック】