燃料価格の高騰の影響で水道・光熱費のさらなる値上げの可能性もあり、ますます厳しくなる生活への負担について不安を持つ人も多いだろう。そんな状況のなか、神戸市須磨区にある『森林浴生活株式会社』は、電気代の負担軽減が期待できる“断熱リフォーム”を提案している。代表取締役の髙岡恭平さんに話を聞いた。
同社はマンション・戸建の内装工事を手掛け、天然木を使用した断熱リフォームを得意とする会社。
「妻と森の中を歩いて森林浴をすることが好きでして。リフォームすることで、森林浴のすがすがしい気持ちよさを家の中にまで持ってこれないかと思い会社を立ち上げたんです」(髙岡さん)
寒い時期は急激な気温の変化で血圧が上下し、心臓や血管などの身体にダメージを受ける「ヒートショック」が取りざたされることがある。これはリビングと風呂場の温度差で起こることが多いが、同社は断熱リフォームを通じてこうしたヒートショックの原因を家の中に作らないということを経営の柱として掲げている。
対策のひとつとして窓を二重にすることが挙げられるが、賃貸マンションなどの場合はサッシが共用部にあたり勝手に個人で交換できないことが多い。そのような場合でも対応できる内窓を取り扱っており、設置することにより8センチ〜10センチほどの空気層がガラスの間にできる。これにより断熱性が高まるほか、結露が減少してカビの発生が抑えられたり、遮音効果が高まるなどさまざまなメリットがあるという。
同社で扱っている人気商品はほかにもある。それは、賃貸住宅でリフォームができない人向けの“置き床”。とくに集合住宅に暮らす場合は、下階の住人に配慮すべきものの中に「音」がある。クッション材を使ったフローリングにすれば軽減されるものの、賃貸は基本的に“現状回復”という契約がほとんど。「替えたくても替えられない」という悩みが発生する。しかし同社の置き床は今ある床の上に重ねて設置するため、賃貸住宅でも使用可能なのだ。もともとの床材を取り去る手間・費用も不要のため「気軽に取り入れられる」と好評なのだそう。髙岡さんと共同開発者がタッグを組んで生みだした、同社自慢のオリジナル商品だという。
「とある大学の官舎に住まわれていた方からこの置き床のオーダーがありました。それから4年後、この方が別の住まいに引っ越しされる際、官舎で使っていた置き床を新居に移設したいというご要望をいただいたんです。板の高さを調整する必要はあったものの、ほとんどがそっくりそのまま使えました。現在も快適に暮らせているという声をいただいています」(髙岡さん)
木材の種類は、杉が一番人気があるそうだ。柔らかい材質のため傷はつきやすいが、比熱がいいため冬場は足もとが温かく、夏場はエアコンの冷気を取り込んでひんやりする。
髙岡さんいわく「杉の香りはリラクゼーション効果が高いとも言われているので、寝室に使うのもいいですね」とのこと。