最近は塗装会社がショールーム化する傾向にある。「住まいのやまおか君」として外壁塗装や雨漏り補修を行う『株式会社ヤマオカ』(神戸市西区)も6年前に西神ショールームをオープンさせた。このショールームのおもしろいところは、なんとケーキショップが隣接していること。株式会社ヤマオカの代表取締役・山岡鉄也さんに詳しく話を聞いた。
「塗装工事は費用が高額のため『行ったら押し売りされるんじゃないか?』と少なからず不安を感じているお客様が結構いらっしゃいます」(山岡さん)
そういった人の不安を払拭し、気軽に来てもらうために何かできないかと考えていたタイミングで、娘のまりやさんから「パティスリーを開きたい」と相談されたそう。それならショールームと一緒に……と思いつき、2年前『ちいさなケーキやさん パティスリー コロン』を隣接する形で開店させた。ショールームとケーキショップが隣同士に建つとはなんとも不思議な感じがするが、実際かなりの相乗効果が生まれている。たとえば外壁の塗り替えを検討していた人が、ケーキを買いに来たついでに「住まいのやまおか君」で工事を注文することがあったそう。もちろんその逆もあるとのこと。
「建物は年数とともに必ず老朽化します。人間のように自然治癒能力がないので傷んだら傷みっぱなし。10年から15年ほど経つと急激に傷んでいくため、塗り替え工事をしてメンテナンスをしていくことが大事です」(山岡さん)
塗装のポイントとして「壁に色を塗るだけではなく、傷んでいるところをしっかり直すことが重要」と山岡さんは言う。その理由として、顧客は資産価値を維持することを求めているからだと説明。また同社は、全国で雨漏り解決率100%をうたう「雨漏り119」という組織に加入している。同組織は“スキルを身につけて雨漏り解決をする”という活動をしており、山岡さんの会社はその神戸店として地域に貢献したいと考えているそうだ。
ショールーム内には「塗り替え実績マップ」が貼られており、それによると同社は神戸市西区では33%、西神エリアでは55%の塗装工事を手掛けている。西神エリアでは、実に2軒に1軒の家が「住まいのやまおか君」で塗り替え工事をした計算だ。
塗装工事に関しては、建物に何か問題が起きてから業者を探しても業者が手いっぱいになってしまっている可能性があり受け付けてもらえないことも。こういったことを回避するため、計画性を持つのが大事だと山岡さん。
「健康診断と同じです。日々『建物がどう傷んでいるのか』『何年後に工事しないといけないのか』を考えておくことが必要。一般的に施工時期は春や秋がいいと思われていますが、その時期は繁忙期でもあります。タイミングを逃さないためにも“思い立ったが吉日”ですね! 工事は年中やっています。どの時期でも品質を落とさないための努力は欠かせません」(山岡さん)
山岡鉄也さんの妻である山岡千春さんはショールームでの接客対応などを担当しつつ、ケーキショップにも気を配る。
開店当初は生菓子のみを取り扱っていたが、現在は厨房を移し焼き菓子にも力を入れることができるようになった。“犬の肉球”が店のトレードマークになっており、ペットを飼っている人の来店も多いという。