3月24日付けで兵庫県警の刑事部長に着任した藤森大輔警視正(40)が28日、神戸市中央区の兵庫県警本部で会見し、「伝統ある兵庫県警の刑事部門のパワーアップと、変化する社会に敏感に対応する組織を作りたい」と抱負を語った。
藤森刑事部長は1982(昭和57)年、山梨県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、2005(平成17)年に警察庁に入庁した。
警察庁では、海外調査研究員としてイギリス・ロンドン大学を構成するゴールドスミスカレッジに在籍、このほか少年課課長補佐や生活経済対策理事官などを歴任した。
都道府県警察での勤務は、2012(平成24)年に捜査第二課長として着任した静岡県警を経て11年ぶりとなる。近畿での勤務は初めて。
兵庫県警の刑事部門の印象について藤森部長は、「さまざまな事件を解決し、捜査力がある」と話した。そのうえで、司法制度の変容や犯罪情勢の変化もとらえながら、暴力団排除や特殊詐欺対策などと向き合うとした。
とりわけ暴力団対策については、特定抗争指定暴力団の「六代目山口組」と「神戸山口組」という“2つの山口組”の本拠地があり、対立抗争も終結していない。「県民が対立抗争に巻き込まれることがないよう、官民一体となって強力に推進する」と述べ、暴力団壊滅に全力で取り組む姿勢を示した。
そして、「自然の豊かな兵庫県は素敵な土地。何度か訪れたことがある神戸は、食べ物とお酒の美味しいところ」と評した。
趣味は山登りとカメラ。故郷の山梨は山に囲まれていたこともあり、警察庁勤務時代は、東京から八ヶ岳や茅ヶ岳(奥多摩)を登り、そこから見える景色をカメラで撮るのが休暇の過ごし方だったという。「時が経つのは早く、人生は短い」という言葉を胸に、「職員、捜査員の力を発揮できる環境づくりに徹し、強い組織を作りたい」と話した。