関西の春の風物詩、大阪・造幣局の「桜の通り抜け」が7日、始まった。1883(明治16)年、満開時の数日間に構内の川岸を開放したのがルーツ。太平洋戦争下での中断、また2020・21年の新型コロナウイルスの感染拡大による中止を経て、140周年を迎えた2023年は、140種・339本の桜が、南門から北門までの約560メートルの並木道に咲き誇る。
昨年に続きインターネットでの事前予約で、期間中は24万人の入場を見込む。13日まで。
人気投票による「今年の花」に選ばれた「松月(しょうげつ)」は東京・荒川堤にあった名桜。八重桜の中では最も優美な品種とされ、25枚ある花弁は最初が薄紅色で、やがて白色になっっていくという。
このほか、今年初めて植えられた「伊予熊谷」や「舞姫」もめでることができる。
大阪市内と京都府内から訪れた30代の女性は「予約が取れて本当にラッキーでした。雨の中の桜も、趣があって素敵。雨って嫌なイメージがありますが、浄化の意味合いもあります。日常生活でのネガティブな気持ちを洗い流してくれる雨かも」と話した。
また台湾・台北市から訪れた20代の女性は、目の前の桜を動画撮影し、TikTok(ティックトック)に投稿していた。「台湾でも桜は咲いていますが、平地ではなく、山の花。日本ではピンクだけではなく、黄色(須磨浦普賢象)や緑(御衣黄)の桜もあって、これらを一度に見ることができてうれしいです」と感慨深げに話した。
事前予約制のため、すでに定員に達しているが、キャンセルが出ればインターネットの専用ウェブサイトで予約できる。