大阪駅(うめきたエリア)の最大の特徴は、最先端テクノロジーが集結していることなんです。事前登録したら顔パスで通過できる「顔認証改札機」。現在は実証実験中なので、従来と同じくICカードのタッチでくぐれます。
「デジタル可変案内サイン」も画期的です。スマホで行きたい場所を事前に登録。駅に降りるとアプリを起動させて駅構内案内ボタンを押します。すると、あなた専用のマークが表示され、デジタル案内板のそのマーク通りに進みます。案内板は壁面に何か所もあります。目的地の出口に近づくと音や振動で知らせてくれるというシステム。これ、使い方に慣れたらかなり便利です。
ほかにも、AI案内サービス(AI案内所)では、こちらの音声での質問に、音声と3Dパネルの文字で答えてくれます。また、利用状況が一目でわかるトイレの空室表示もお目見え。これは助かりますねえ。
そして最大18種類の人気弁当が買える「駅弁自販機」。ただし現金は使えませんのでご注意を。さらにコンコースにある幅14メートルのプロジェクターに広がるデジタルアクアリウム(ネイチャーアクアリウム)も私たちの目を楽しませてくれます。
ただ実際に歩いてみて気になる点もいくつかありました。新エリアにはコンビニや売店がいっさいありません。あるのは2台の飲料自販機だけです。また、みどりの窓口も自動券売機となり、駅員の姿もほとんど見当たりませんので、何か尋ねたい時に少し不便で、遠方からの乗客・高齢者・外国人客は戸惑うかもしれません(リモートでの問い合わせは可能)。そして、上り下りの多い連絡通路では、大きな荷物を持っての移動がけっこうな負担になります。
ちなみにこの新線には貨物列車も入線します。地下部分への勾配がけっこうきついため、電気機関車が後ろから応援に入るのも珍しい光景かもしれません。
さらに、うめきた地下ホームができたことで、貨物ヤード側だった北口のうめきた広場もくつろぎの場として大きく装いを変えました。
新ホームの上には22階建てのビルが、また西口の旧大阪中央郵便局跡地にも大型複合ビル「JPタワー大阪」が建設中。2025年の大阪・関西万博を見据えて、大阪駅はまだまだ変貌を遂げそうです。(羽川英樹)