1988年3月に兵庫・神戸港内に人工島のニュータウンとして開かれた街・六甲アイランド。ここには名前は変えながらも毎年続く“祭り”があり、今年も開催される。
現在、このイベントを運営している株式会社ニュース ダストの代表取締役社長・北浦諭さんと福井道明さんに詳細を聞いた。
六甲アイランドが誕生した当時、そこに住む誰もが“はじめまして”の状態からのスタートだった。『まちびらき』があったのは1988年の6月。住民同士の交流を深めるため「自分たちでお互いを歓迎し合おう」と行われたのが“ウェルカムパーティ”だ。手作りのささやかなイベントであった。しかしこれをきっかけに、すれ違いざまに会釈し合う程度だった住民同士の関係は笑顔と元気な挨拶が行き交うコミュニティに生まれ変わった。こうして生まれたつながりは街の大きな財産となったそう。
以降、地域住民や企業が新しくやってきた住民を盛大に歓迎することを目的として毎年開催されるようになり(2020年・2021年は新型コロナウイルスの流行により中止)、現在は『ウェルカムフェスティバル』という名前で実施されている。
六甲アイランドには外国人も多く住んでいるという特性から、祭りに訪れた人の中には「海外に来たみたい!」という声も上がるほど、国際色豊かな雰囲気を感じることができる。新型コロナウイルスの影響から、昨年は3年ぶりに規模を縮小して開催。イベントに飢えていたように来場者は久々の開催を喜んでいたそうだ。福井さんは、「“このイベントがないと春が来た感じがしない”など、開催側にとって嬉しい声を聞くことができました」と顔をほころばせた。
今年の開催は4月22日(土)・23日(日)の2日間で、昨年よりも規模を拡大。例年2日間でおよそ2万〜2万5000人が訪れる。北浦さんは「来場者のおよそ半分は六甲アイランド外からお越しになります。さらに兵庫県外の方も1〜2割ほどいるのでは」と話していた。
フェスティバルでは島内のホテル・飲食店が出す模擬店と、島外からの出店が数多くラインナップ。このイベント限定のメニューを用意するところもあるという。遊具やゲーム、縁日風のブースは子どもたちに大人気だ。メインステージではバンド演奏やダンスパフォーマンス、和太鼓や舞いなどバリエーション豊かなプログラムが終日進行される。イースターをテーマにした“エッグハント”や“エッグツリー”などの企画も予定されており、老若男女が楽しめる内容になっている。