昭和40年代から神戸市北区でつくられている伝統味噌「北神みそ」。大豆の約2倍量の米糀(こうじ)を使用し、ほんのり甘口でマイルドな味わいと、手作り感のある風味が自慢だ。最近では市内の学校給食や味噌づくり体験を通して、地域との連携にもつなげている。
「北神みそ」をつくっているのは、一般社団法人北神みその女性たち。ひと晩漬けてやわらかくした大豆を潰すところから糀づくりまで、工程の大半が手作業で行われる。熱処理を加えるとうまみ成分が壊れるため、樽に詰めて1年間熟成させることで自然発酵させている。
材料は、神戸市北区で作られた大豆や米、赤穂の天塩などの無添加食品のみ。年配から子どもまで幅広い人々の口に合うようにと、塩分控えめだという。大豆に対して2倍の量の米糀を使用する「倍糀」にすることで、甘口でうま味のあるぜいたくな味わいに仕上がっている。また、六甲山系の澄んだ水もおいしさの秘訣。地域の自然の恵みが「北神みそ」のおいしさとなっている。
そもそも、味噌づくりが始まったのは昭和40年代後半ごろ。当初は地元の自家用としてつくられていたが、そのおいしさが口コミで広がり、20年ほど前から商品として販売するようになったという。
「北神みそ」は、JA兵庫六甲小部支店、神戸フルーツ・フラワーパーク、道の駅「淡河(おうご)」などで販売している。フリーズドライのみそ汁や、「北神みそ」を使用した万能味噌ドレッシング「北神みそどれ」も人気で、湯がいた大根にかけたり、焼肉やサラダにも合う。
2010(平成22)年には地域活性化への功績が評価され、地域の問題解決や地域経済の活性化などを目的とし、経済的にも自立を目指した事業を表彰する『神戸ソーシャルベンチャーアワード』の優秀賞を受賞し、兵庫県の『ふるさと認証食品』も取得している。
味噌づくりは北神地域の地産地消や地域農産物の拡大を目的としており、障がい者支援施設である「上野丘更生寮」が農福連携の取り組みとして育てた大豆も使用している。さらに、「北神みそ」は神戸市内の学校給食でも使用されており、食育にも取り組んでいる。また、「神戸っ子みそづくりプログラム」では小学生が味噌づくりを体験することができ、地域との連携も生まれている。
一般社団法人北神みその代表を務める中西和子さんは「味噌は日本人の心の原点のようなもの。神戸市北区の手作りの味噌を、ぜひみなさんに召し上がってほしい」と話す。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2023年4月16日放送回より
◇「北神みそ」について
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