ファンにとっては「生活必需品」 スポーツチームのライセンスアイテム 日本での可能性と伸びしろ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ファンにとっては「生活必需品」 スポーツチームのライセンスアイテム 日本での可能性と伸びしろ

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 世界の有名スポーツチームのユニフォームやアパレルブランドなど、ライセンススポーツビジネスがいま、活況を呈している。このたび、アメリカに本社を置く「世界最大のスポーツデジタルプラットフォーム企業」の日本法人代表が、ラジオ番組にゲスト出演し、日本におけるスポーツライセンスマーチャンダイジング(商品化計画)市場の可能性について語った。

ファナティクス・ジャパン合同会社(Fanatics Japan G.K.)マネージングディレクターの川名正憲さん(写真右)、『セケンテー/ぼくらは囚われない』パーソナリティーのCEOセオ(同左)

 ラジオ番組『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西)の2023年3月26日放送回に出演したのは、ファナティクス・ジャパン合同会社(Fanatics Japan G.K.)でマネージングディレクター(代表)を担う、川名正憲さん。大手商社などでビジネスマンとしての実績を積んだ、スポーツマーチャンダイジングのエキスパートだ。現在のキャリアに至るまで、2013年にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表(侍ジャパン)の広報を務めた経験も。慶應義塾大学出身で、番組パーソナリティーを務める田中大貴(フリーアナウンサー)の1年後輩にあたる。

 その川名さんが関わる、“スポーツライセンスマーチャンダイジング市場のグローバルリーダー”と称されるファナティクスは、スポーツチームの商品企画・製造・販売までを一気通貫して(一貫性をもって)担う、独自のビジネスモデル(Vコマース)を持つグローバル企業。

 その特長をいかして、現在、アメリカ4大スポーツリーグ(MLB、NBA、NFL、NHL)や、マンチェスター・ユナイテッドFC(イングランド)、パリ・サンジェルマンFC(フランス)といったサッカーの名門クラブなど、さまざまなスポーツリーグ・チームとライセンス契約を締結。国内では、プロ野球(ソフトバンク、日本ハム、西武、ヤクルト)やJリーグ(清水エスパルス、セレッソ大阪)の各チームなどのマーチャンダイジング領域の戦略的パートナーとして主体的に取り組みを進めている。

 また、ファナティクス・ジャパンは2022年に、プロ野球の巨人とのパートナーシップ契約を締結。オフィシャルパートナーのナイキジャパンを含めた3社間の包括的なグローバルパートナーシップは、MLBのビジネスモデルと同様で、スポーツクラブ単体としては世界初の取り組みになるという(※MLBはリーグ管轄)。

 パートナーシップ締結の経緯について、川名さんは「(ソフトバンク)ホークスさんから始まって、(プロ野球だけでなく)Jリーグのパートナーも増えて実績を出してきたのが大きかった」「2020年から行っているMLBでのモデルがすごく成功していることも今回のきっかけになった」と語った。

 マーチャンダイジング(商品化計画)はスポーツ団体にとって売り上げのメインではなく、優先度があまり高くないことからも最初は外注されることがほとんどだといわれるが、川名さんいわく、成長していくにつれて内製化に切り替わっていくことが多いそう。そのなかで、商品開発やeコマース運営、店舗運営などを一貫して担う同社と組むことは、中長期的なインパクトにつながると、川名さんは考えている。

 番組のなかで、「ライセンスアウト(自社で取得した特許権やノウハウ等を他社に売却したり、使用を許諾する)ということ?」と尋ねたのは、パーソナリティーのCEOセオ(連続起業家兼アーティスト)。

 この質問に対しては「そうではなくて……」と川名さんは否定しつつ、「デザインはナイキさんと一緒にやるが、OEM(委託者のブランドで製品を生産すること)を受けているわけではなく、ナイキさんの製造過程を我々がパートナーシップでいただくという形」と説明。さらに、「ライセンスグッズを作るのは結構めんどくさいもの。選手も毎年入れ替わるし、どれくらい売れるかは試合の成績にもよったりするので……。そういう“めんどくさい”ビジネスの部分を我々は得意としている」と、同社の強みについて語った。

 番組では“アパレルの可能性”について語り合う場面も。CEOセオは、「正直、難しい」「洋服としては不要。もうあふれかえってるから。だからアート化するか、もうよほどファンみたいな形になっていくか。日常の服というのはすでに時代に逆行しているので、かなり難しくなってくる」と発言。

 川名さんはCEOセオの意見にうなずきながらも「我々のマーチャンダイジングにはまだ伸びしろがある」と断言し、持論を展開した。

 スポーツの存在意義を問われることもあったコロナ禍。そのなかでも、選手のユニフォームを着用し応援しているファンの姿を見て「スポーツが心の柱になっている人はたくさんいる。そういう人たちにとっては(スポーツアイテムは)生活必需品といっても過言ではない」と再確認した川名さん。「まだグッズを身に着けていないスポーツファンもいるし、そういう方々にとってはまだまだ意味があるなと思っている」とコメントした。

 今後について「スポーツファンビジネスにおいて伸びしろがある国や、国内でもまだお付き合いのないパートナーの方々にアプローチしていきたい」と話す川名さん。事業領域の拡大についても触れ、アジア全体での事業展開を進める拠点として機能していきたいと展望を示した。

ファナティクス・ジャパン合同会社(Fanatics Japan G.K.)マネージングディレクターの川名正憲さん(写真中央)、『セケンテー/ぼくらは囚われない』パーソナリティーのCEOセオ(同右)と田中大貴(同左)

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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558kHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める。


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