「ジャンケンの初手はパーが有利」なワケ “強い人が持つ特徴”を猛者の集うジャンケン競技連盟が明かす | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ジャンケンの初手はパーが有利」なワケ “強い人が持つ特徴”を猛者の集うジャンケン競技連盟が明かす

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 グー、チョキ、パーの3種類の手でその勝敗を競い合うジャンケン。ゲームというにはあまりにもシンプルなこの遊びの競技性を高め、スポーツのように楽しむ集団「全日本ジャンケン競技連盟」代表理事の若山さんに、単純なようで奥が深いジャンケンについて聞きました。

 ジャンケンは、グー、チョキ、パーの3つの手がそれぞれに勝つ相手と負ける相手を持つ、いわゆる「3すくみ」の関係の中から選んで出した手の強弱関係により勝敗が決まります。中国や韓国、ヨーロッパなどにも同じような遊びが存在し、世界中で親しまれていますが、「全日本ジャンケン競技連盟」代表理事の若山さんによると、この“誰もが知っている”点こそがジャンケンの最大の魅力だそうです。

はじめに出すと有利なのは「パー」?

 野球やサッカーなどのスポーツや、テレビゲーム、カードゲームなどの場合、まずはルールを知ることが楽しむためのポイントになりますが、ジャンケンの場合はその必要はなし。若山さんは「ジャンケンは、おそらく識字率と同じくらいの認知度があり、人数に応じてルールが変更されることもありません。当たり前のようですが、こんなにすごい遊びは他にありません」と語ります。

 さらに、ジャンケンという遊戯には著作権がなく、自由に遊び、語ることができる点も魅力の1つだと言います。全日本ジャンケン競技連盟は、競技としてのジャンケンの普及を目的に、ジャンケンの競技大会の開催や、動画サイトやSNSでジャンケンにまつわる情報を発信するなどの活動を行っています。

 そこでよく話題に上がるのは、3つの手におよそ3割ずつ勝ち目があるはずなのに、勝負の回数を重ねると、なぜ『強い人と弱い人』といった偏りが生まれるのかということ。若山さんをはじめとする連盟のメンバーは、ジャンケンには人それぞれに実力があると考え、勝負の際には、『相手が出す手を予測して裏をかく』といった“読み合い”が繰り広げられているそうです。

 若山さんによると、ジャンケン愛好家の間では、はじめにはとっさに出しやすい形であるグーを選択する人が多く、指を2本だけ開くという、やや複雑なポーズを取る必要がある「チョキが最も出づらい」という定説があるため、初手の場合に「最も勝つ可能性が高い手はパー」になると言います。

 まずは、相手がこの前提を知っているかどうかが勝負の分かれ道になりますが、勝負を行う相手全員がこの定説を知っている場合、パーが有利という前提の上で、そこから相手が何を出すのかを考える必要があるそう。

 ここですべての参加者が、『一定のルールのもとに自分の利得が最大となる最適な戦略を選択し合う“ナッシュ均衡”』と言われる状態が生まれ、「最後には、定石を破る勇気や精神的な強さを持つ人が勝利します」と明かしてくれました。

 現在、全日本ジャンケン競技連盟のメンバーで最もジャンケンの実力が高いと言われているのは、プロゲーマーとしても知られる八十岡翔太さん。これまでに、全日本ジャンケン競技連盟が開催したジャンケンの7本勝負で13勝4敗という成績を残し、カードゲームなどの大会でも8000万円以上の賞金を獲得しているそう。

 若山さんによると、ジャンケンの実力が高いのは、『先を読む能力が高く勝負強い人』。eスポーツや将棋など、ジャンケン以外のゲームや勝負などで活躍する人はその典型なのだそうです。

 単純なようで奥が深いジャンケンの世界。あなたの実力も試してみては?

(取材・文=村川千晶/放送作家)

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