兵庫県警・第194回署長会議が4月28日、神戸市中央区の本部で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインや地域別の開催だったが、全幹部(部長級以下の所属長、警察署長など約130人)が一堂に会した署長会議は2019年3月以来、4年ぶり。
村井紀之本部長は、4月22日に神戸市長田区で発生したラーメン店主殺害事件について「都市部で白昼堂々、銃器を使用して人を殺害する行為は、県民の安全・安心を大きく損なう。我々はこのような許しがたい犯罪に毅然と立ち向かっていく必要がある」と述べた。
このほか、開催が迫る「G7広島サミット」について、「テロなど違法行為の脅威は開催される広島県のみならず、全国の警察が総力を結集しなければ、警備対策を完遂できない」と述べた。
2022年7月の安倍元首相銃撃事件(奈良)や、2023年4月の岸田首相襲撃事件(和歌山)を踏まえ、より強い警備体制の確立が求められる中、村井本部長は「『ローン・オフェンダー』戸と呼ばれるテロ組織と関わりのない個人が、単独でテロ行為に及ぶ行為が散見される。小さな予兆でも見落とすことがないよう、意識付けの徹底を図るよう指示した。
また暴力団対策については、特定抗争指定暴力団「六代目山口組」、「神戸山口組」の対立抗争が終結しない中、予断を許さない状況が続くが、こうした脅威から県民を守り、不安を解消する重要な使命を果たすべく業務を遂行してほしいと述べた。
さらに神戸地検・山口英幸検事正は「警察と検察は、いわば車の両輪。より密度の高い連携を」と呼び掛けたほか、兵庫県公安委員会・小西新右衛門委員長(小西酒造社長)は、治安を守るプロフェッショナルとしての期待を寄せる一方、その土台となり地域で活躍する警察官へのねぎらいの重要性を訴えた。