なかには、戦国時代にタイムスリップしてしまい会社を休む時の文章(異変が起こりまして、今目の前には戦国時代の風景が広がっております…)や、恋文(ただひたむきな愛の表現でございます…)などの、『3秒敬語』で作成したユーモアあふれる文章を紹介する方も現れました。
逆に、「頭を使って考えることができなくなるのではないか」「どんどん語彙力が乏しくなりそう」「AIの回答には間違いもあるから、最終的に自分でチェックしないと危ない」といった不安の声も一部寄せられました。
確かにまだまだAIの回答は完璧なわけではないため、そのままコピー&ペーストをするのではなく、自分で添削するスキルは必要といえます。とはいえ、0から1を生み出すよりも、1を2にする方がイージーであり、時間短縮につながれば越したことはありません。
そもそも、日本語・日本社会ならではの、ビジネスメールにおける独特な婉曲表現や敬語の言い回しは、外国語では類を見ないほど難解であり、多忙なビジネスパーソン泣かせともいえます。前置きが長いうえに、相手への配慮に配慮を重ねた言葉のチョイス……。
『3秒敬語』を使ってみたユーザーからは、「便利ですけど、そもそも論で、7文字で伝えられる内容が何百文字になる、日本語の奥ゆかしさに気絶しそう」「こんなにも敬わないといけないの生きづらすぎる」「英語みたいに『see you tomorrow』だけの方が国力が上がるのでは?」「送る方も読む方も非効率な文化のような…」などといった反応もありました。
日本社会のビジネスメールに関する議論はさておき、こういった暗黙のルールのような決まりきった定型文を送らないといけないとき、AIが出した回答を見て参考にすることは、多くの人にとって効率的な学びにもつながり、自分の発想を広げるチャンスともいえます。
AI技術をベースにしたWEBサービスは近年続々とリリースされており、市役所で試験導入されたChatGPTの活用方法についても話題となりました。業務効率を高めることで、人間の手が必要となるクリエイティブな部分に力を注ぐことができると注目されています。AIと自分のアイディア・スキルを融合させ、より短時間でクオリティの高いものを生産することは、次世代のビジネスシーンにおいて必要不可欠になっていくのかもしれません。
メッセージを入れると敬語メールにしてくれるサイト作りましたhttps://t.co/DPQ0uj21l2 pic.twitter.com/mAHjYto9dA
— 大西拓磨 (@IlllIlllIlIlIll) April 12, 2023
(取材・文=ししまる555)