大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)では、会場内の支払い手段が全てキャッシュレス決済となる。運営する日本国際博覧会協会によると、万博で全面的にキャッシュレス決済とするのは初めて。
背景に、日本のキャッシュレス推進の加速化が挙げられる。日本国内では、諸外国に比べて現金派が多く、キャッシュレス決済に抵抗感を示す人の割合も一定数いる。
経済産業省は、キャッシュレス決済比率を万博開催の2025年までに4割程度にするという目標を掲げている。2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%。それでも欧米や東アジア諸国に比べて格段に低い。
こうしたことから、万博会場内の売店やレストランなどの施設でキャッシュレス決済を本格導入し、現金の取り扱いを行わない代わりに、決済手段を持たない外国人来場者、修学旅行等で訪れる学生向けに、プリペイドカードの販売などのサポート手段を検討するという。
会場内のキャッシュレスの決済手段として、クレジットカードや交通系ICカード(乗車機能と電子マネー機能を兼ね備えたもの)、QRコード型電子マネーなど、日本最大級となる60社以上(海外を含む)の事業者のサービスを使えるようにする。
また、キャッシュレスに慣れない人が相談できるよう、会場内に「マネープラザ(仮称)」を設け、サポート態勢も整える。
博覧会協会では、キャッシュレスシステム導入より、売店やレストランなどの施設での支払いの簡素化、会計時間の短縮、非接触によるウィルス対策、店舗で管理する現金をなくして盗難被害を防ぐというメリットを挙げている。
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◆独自の電子マネー導入も
このほか、会場内のみならず会場外でも利用可能な加盟店を設定した、万博独自の電子マネー「EXPO 2025 デジタルウォレット」も2023年度中にも導入する。
スマートフォンを通じて、誰でも参加できる。銀行口座、クレジットカード、事業者にて実施されるポイント、マイル、ギフトカードなどからチャージし、1コイン=1円で会場内の売店などで利用できる。
万博開幕前のイベント(SDGs関連に関わるもの、利用者の行動変容を促すものなど)に参加して獲得したポイント数によって、グッズや入場券と交換できる仕組みも設ける。