サッカー・J1のヴィッセル神戸は10日、報道陣に練習を公開した。去就が注目されている元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ選手は、チームメイトとともに約1時間の全体練習で元気にフルメニューを消化した。
5月7日のJ1第12節横浜FC戦では途中出場で22分プレーした、イニエスタ選手。オフ明けとなった10日の練習では、FW大迫勇也選手、MF山口蛍選手らチームメイトとともに、ミニゲームなどを精力的にこなした。
前日には、ヴィッセルと、イニエスタ選手が長らく在籍していたスペインの名門・FCバルセロナとの親善試合が6月6日に東京・国立競技場で開催されることが正式に発表された。去就の件もあり、10日の練習には多くの記者らが集まったなか、取材対応こそなかったものの、トレーニング中は軽やかなボールタッチを見せたり、激しく競り合う様子も披露。5月11日に39歳の誕生日を迎えるファンタジスタのコンディションは順調のようだった。
一方、この日はFCバルセロナ出身のMFセルジ・サンペール選手が、2019年以来となる古巣との一戦への思いを語った。
「(親善試合がある6月6日は)すごくワクワクする日。自分の元チームメイトが日本に来て、一緒にプレーできるのは楽しみ」というサンペール選手は、「皆さんが観て楽しい試合になればいいし、自分たちがヨーロッパ最高レベルのチームに対してどれだけ力を発揮できるかというところも見てもらえるとありがたい」とコメント。
ともに古巣対決となるイニエスタ選手から「『バルサが来るよ』ということは聞いていた」と、サンペール選手。報道陣からイニエスタ選手にどんなプレーを期待するかと問われると、「正直、長年の彼のプレーのなかで時代を築いてきているので、いまさら(プレーで)証明することはない選手だと思うが、彼がピッチにいることを周りの自分たちも楽しめれば。そして、彼が気持ちよくいい試合を展開してくれたらうれしい」と語っていた。
現在はシーズンの真っただ中ということもあり、かつてのチームメイトらとはまだ連絡はとれていないそうだが、「日程が近づくにつれ、よく話すセルジ・ロベルトとは連絡を取り合えればと思う」と、サンペール選手。対戦が楽しみな選手には、現在バルセロナで8番をつけてプレーするスペイン代表MFペドリ選手の名をあげていた。
サンペール選手自身は、8日のトレーニングマッチで今シーズン初めて60分のプレーを行うなど、けがからの完全復活を目指してトレーニングを積んでいる最中。バルセロナ戦については「公式戦ではないぶん、結果に対するプレッシャーはない試合。(出場は)自分が決めることではないが、そのなかで自分がプレーできれば本当にうれしい」と述べていた背番号6。週末の試合、J1第13節のサンフレッチェ広島戦に向けては「自分としてはチームの助けになるための準備はしばらく続けていて、助けができる状態にあると思う。そのなかでプレーするかしないかの次第は自分にはできないので、その判断をリスペクトしながら、チャンスが来るのを待ちたい」と、来るべき出番に向けての思いを明かしていた。