兵庫県の斎藤元彦知事が11日、ラジオ関西の番組に生出演した。伊丹市の天神川の堤防が、7日から8日にかけての大雨で約30メートルにわたって決壊し、被害が出たことを受け、「大変申し訳ない。被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げる」と述べた。
川の周辺では、40代の女性が避難する際に側溝に足を挟み、左足に軽いけがをしたほか、少なくとも12棟が浸水。県は、氾濫に至った原因を調査する検証委員会を立ち上げる。また、被害にあった県民からの補償を含めた相談には、宝塚土木事務所内に設置した窓口で対応する。
天神川は、川底が周辺の土地より高く、川の下を鉄道や道路が通る「天井川」。現地では県が安全性向上のための工事を行っていて、川幅約14メートルの半分を高さ約2メートルの土のうで区切り、片側に水を流していた。県は国のガイドラインに沿い、「非出水期」(11~5月)に合わせて工事をしていたが、雨量が県の想定を上回った。こうした非出水期の工事のあり方についても、検証委で話し合う方針。
斎藤知事は10日、藤原保幸・伊丹市長と現地を視察。地域からの要望もあり、県は決壊地点を監視するためのカメラの設置を早急に実施する予定。県内にあるほかの天井川についても、梅雨入りを前に堤防の安全点検を行う。