西岡剛氏、プロ野球界から離れた今の生活を楽しむ理由「世の中や社会の人たちとちゃんと接しようと思った」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

西岡剛氏、プロ野球界から離れた今の生活を楽しむ理由「世の中や社会の人たちとちゃんと接しようと思った」

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「プロ野球界から離れた今、この新しい生活がすごく楽しい」、そう語るのは、元・プロ野球選手で、現在は独立リーグに所属している西岡剛氏。15日放送のラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(ラジオ関西)でプロ時代と現在のギャップについて語った。

西岡剛氏 (写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 西岡氏は大阪桐蔭高校を卒業後、プロ野球のロッテや阪神で走攻守の三拍子がそろったリードオフマンとして活躍した名内野手。メジャーリーグ(MLB)のミネソタ・ツインズでのプレー経験もある。2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では主軸として侍ジャパン(日本代表)の初優勝に貢献。2018年をもって6シーズン過ごした阪神を退団すると、その後は独立リーグに身を置き、栃木ゴールデンブレーブスを経て、2022年から福岡北九州フェニックス(現、北九州下関フェニックス)の初代監督に就任するとともに、いまも野手として現役を続けている。

 番組パーソナリティーの林歳彦氏は、西岡氏との放送に臨むにあたって、当初のイメージに怖さもあったよう。実際に会話したとき、「もっとイケイケな感じだと思っていたが、実際はやさしい」と、本人に吐露。

 そのことに関して、「(実際は)あまりイケイケじゃないし、けっこう人見知り」という西岡氏は、「野球のときはいろんな人がバーッと寄ってくるから、自分で防御しながら、ツンツンしているように見えていたかもしれない。イメージがあまりよくないので、そのギャップがあるのかなと。不良がゴミを拾ったらめっちゃいい人に感じるように、ギャップが激しいので、得点率が高いです(笑)」と、ユーモアを交えながら語り、早速スタジオを盛り上げた。

写真右が西岡剛氏。同奥がフリーアナウンサーの田中大貴、同左が林歳彦氏(会社経営者・環境活動家) (写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 その西岡氏は今、「今まで生きていた世界の“当たり前”が、社会に出ると当たり前じゃない。そういうことを少しずつ勉強できた」と、NPB(日本プロ野球機構)やMLBの環境がいかに恵まれていたかを実感している。

「例えば、今まで(プロ野球選手時代は)水を買ったことがなかった。球場に行けば水、スポーツドリンク、フルーツがそろっていたが、独立リーグにいる今、(1日に)何リットル水を飲むか計算して『500mlを4本買おう』とか、『水って1本130円するんだ……こっちは99円? この違いは何だろう……』と(考えながら過ごすようになった)」(西岡氏)

 ただし、「プロ野球界を離れて約5年経ったが、そう考えると今の方が新しい生活ができて、すごく楽しい」と、一般社会を身近に感じている今を、西岡氏は前向きにとらえている。

 独立リーグ・栃木時代に、かつて自身が所属していたロッテのキャンプを手伝い、グラウンド整備役も買って出たことがある西岡氏。番組パーソナリティーで元フジテレビアナウンサーの田中大貴からその話を紹介されると、当時の経緯を明かした。

「栃木の独立リーグにいる選手は連絡先を全部リーグに伝えているが、プロ野球12球団にキャンプでの球拾いやバッティングピッチャーをする人を独立リーグが派遣する、という背景がある。たぶん一斉送信のメールだったが、僕のところにもその募集が届いて、それが千葉ロッテマリーンズだった。これは『行け!』ってことかなと思って応募した」

 これまでは光の当たる表舞台で野球をしてきた西岡氏。「舞台裏はどうなろんだろう……」という好奇心をすぐさま実行に移し、「(当時は)朝7時くらいに球場へ行って、グラウンド整備と水まきをしたり、バッティング練習があるならネット設営もした。練習が始まると、角中(勝也)選手や荻野(貴司)選手らロッテの(現役)選手が打った球を一生懸命拾った」。

 そのときには、西岡氏が精力的に球拾いをする影響で、後輩たちも球拾いに参加し、「たぶん12球団の中でロッテが一番球拾いが早かった」と思えるほど、グラウンドがピリッとしたそう。裏方に回ったなかでの気づきも多く、「せっかくお金を払ってバイトとして呼んでいるんだから、もっとこういう使い方をしたらいいのになという球団側の目線も感じた」。一方で、「僕らみたいな人がいくと、(現場が)気を遣ってしまい、現役の選手に迷惑がかかるんだなということもわかった」と恐縮した西岡氏だが、「(裏方を)1回経験したことで、変なプライドはない」と、泥臭いことでも、どんなことでも積極的に取り組む思いが生まれたという。それからは、運送会社の積み込みや、飲食店での皿洗いなど、野球とは直接関連のない仕事も経験。そういった労働へのリスペクトも痛感しているという。

 これらの体験も、そして今回のラジオも、「一緒に共有している人たちとの時間を無駄にしたくない」という思いから「何をするのも全力」だという西岡氏。裏方にも真摯に取り組むようになった要因については「若いときの僕は、『野球選手・西岡剛だ』と、世間も社会も知らないマインドだったので、そういうことが恥ずかしいということだったと思う。それがいま、恥ずかしくなくなった」と、素直な思いを語った。

 また、番組の終盤にパーソナリティーの田中から「自分が変わったなと思ったか」と問われると、「変わったなというか、ちゃんと世の中を、社会の人たちを見よう、ちゃんと接しようと思うようになった」と西岡氏。そのタイミングについては「今の奥さんと出会ってから、結婚してからかもわからないですね。阪神を辞める前の年くらいに結婚したが、そこから私生活が変わりだした」と、最愛のパートナーの存在が大きいことも明かしていた。

※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2023年5月15日放送回より

写真中央が西岡剛氏。同左がフリーアナウンサーの田中大貴、同右が林歳彦氏(会社経営者・環境活動家) (写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)
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としちゃん・大貴の ええやんカー!やってみよう!! | ラジオ関西 | 2023/05/15/月 19:30-20:00

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