水族館などでお馴染みの人気者・イルカ。海の生きものだが、子どもを母乳で育てる哺乳類の仲間だ。声を使って仲間同士でコミュニケーションを取ったり、ショーではパフォーマンスを披露したりするなど、好奇心旺盛で高い知能を持つことでも知られる。
特徴がほぼ一致している生きもののひとつといえばクジラ。両者にはっきりとした違いなどはあるのだろうか? 長年イルカのショーを展開し、骨格や模型を使ってクジラの紹介にも取り組んできた、 神戸市立須磨海浜水族園の動物展示課・古田圭介さんに話を聞いた。
古田さんによると、両者ともに“クジラ目”に分類される。そのためイルカも“クジラ”と言え、大きく分けると同じ生きものだという。
クジラ目は口にヒゲを持つ“ヒゲクジラ亜目”と、歯が生えている“ハクジラ亜目”の2つのグループに分けられる。水族館でよく見かけるバンドウイルカやシャチは“ハクジラ亜目”だ。
シロナガスクジラやザトウクジラは“ヒゲクジラ亜目”に分類される。
一般的には体長5メートル以上をクジラ、それ以下をイルカとして扱うことが多く、その違いにはっきりとした基準は存在しないという。古川さんは「研究者や水族館によって様々な基準があり、5メートルを超えるイルカもいれば、4メートルしかないクジラも存在します」と、現段階では区別があいまいであるとした。
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なお 、須磨海浜水族園は 再整備のため5月31日で閉園し 、35年の歴史に幕を下ろす。 イルカショーは2021年に終了しており、 イルカは全国の水族館などに引っ越した。 閉園までの間は、 ペンギンやアザラシ、エイなど、さまざまな海の生き物と間近に触れ合うことができる。31日には閉園セレモニ-も予定されている。
※ラジオ関西『Clip』火曜日 2023年5月9日放送回より
(取材・文=村川千晶)