次に動物たちの寝室の掃除です。掃除は地味できついように見えますが、飼育員にとっては調餌や給餌と並んでメインとなる仕事の一つです。衛生的に保つことで動物たちが病気にならないよう丁寧に掃除します。この時にフンをしっかり観察しておきます。動物のフンから得られる情報は多く、色や臭いや量を毎日チェックし記録することで日々体の状態を把握しておくための重要な資料になります。
飼育員というと動物とたくさん触れ合うイメージがありますが、それ以上に掃除に時間をかけています。動物好きなことも飼育員としては大切な要素ですが、掃除をすることを苦痛に感じる人は向いていないかもしれません。
●12:00頃 昼休憩
給餌と清掃が終わる頃に午前中の作業が一段落するため、手の空いた担当者からお昼休憩をとります。
●13:00頃 来園者対応・事務作業など
午後は夕方の餌の準備まで少し時間があるのでこの間に様々な業務をこなします。例えば、イベントの準備や展示物の作成なども日々業務の合間に行っています。動物園ではイベントや展示物等を通して動物の習性や生態等を紹介していますが、どうしたら楽しみながら興味を持ってもらえるか、どう表現したら伝わりやすいか等を考えて日々試行錯誤しています。他にも、ハズバンダリートレーニング(健康管理のための訓練)を行ったり、体重測定や爪切り、夏前のシーズンにはヒツジの毛刈りなど、健康を維持するための業務も欠かせません。
餌の発注や書類の管理など事務的な業務や、施設の簡単な修繕も自分たちで行います。SNSの管理をしたり取材対応、時には園で販売するオリジナル商品の開発に携わったりと業務は日々山積みです。
●17:00〜17:30頃 閉園〜動物たちの世話
作業をしているとあっという間に閉園の時間が近づきますので朝と同じように夕方の分の調餌と給餌、動物たちを寝室に移動させて展示場の清掃を行います。これで現場での作業は終わりなのですが、持ち場を離れる際には施錠確認を必ず行います。万が一でも飼育動物を逃がしてはいけません。
一日の業務が終わったら、最後に日報を書きます。毎日動物ごと、個体ごとに観察した内容や治療内容等を飼育日報に記録して、もし後々動物が体調を崩した際に誰でも読み返して理解できるように記録することが大事です。
●18:00頃 退勤
ここまでの仕事が済んだら退勤となりますが、体調が悪かったり、出産が近い動物がいると遅くまで残業になることもあります。