サッカー・J1のヴィッセル神戸で活躍中のDF山川哲史選手が、ラジオ番組にゲスト出演し、自身が育ったクラブや、レジェンドへの思いなどを語りました。
練習拠点である神戸市西区のいぶきの森球技場で、ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』の単独インタビューに臨んだ、山川選手(※収録日は2023年4月25日、放送日は5月1日と8日)。クラブのアカデミー(ヴィッセル神戸U-15、U-18)出身選手ということもあり、チームの牽引役としての期待も高まります。
生え抜き選手の1人として、将来は神戸育ちのパワフルセンターバックがキャプテンを担うことも待望されます。そのことについて、山川選手は「やっぱりチームの幹となる部分は、アカデミーだったり、(クラブへの)思いの強い選手(がなるべき)だと思うので。逆にアカデミー出身の選手たちが活躍しないと、下の選手への道しるべが示せないし、そういった選手たちの目標になるというか、あの選手を目指せばいいんだと思えるような選手になりたい」とコメントし、自覚は十分。
ただし、リーダーシップについては、「まだ周りに嫌われたくない思いがあって、そこがひと皮むけたらリーダーに近づくんじゃないかなと思うのですが……」と、心やさしき背番号23は、「嫌われる勇気」を持てていないと吐露。ちなみに、「嫌われる勇気―自己啓発の源流『アドラー』の教え」(著:岸見一郎/古賀史健 ダイヤモンド社)は読んだことがあるそうですが、「(読み応えがあって)おもしろいどまりで、実践できていなくて……」と苦笑。「上の選手たちは人が言いたくないことも言えますし、そこは尊敬してます」と、チームを牽引する先輩選手たちの存在の大きさを実感していました。
ヴィッセルの現コーチングスタッフには、クラブのレジェンドの1人、長らくセンターバックとして活躍してきた北本久仁衛氏(現コーチ)がいます。「神戸の鉄人」と呼ばれた名DFについて、「憧れの存在だった」と語る、山川選手。「中学生のとき、当時はトップ選手が使ったスパイクがアカデミーにおりてくるというのがあって、僕はクニさん(北本氏)と全然サイズが違ったのですが、クニさんのスパイクを持って帰って、それも片方だけ、玄関に飾ってました」と、エピソードも披露。「いまはすごくお世話になってます」と、コーチと選手の間柄になった現在も、特別な存在に変わりはないようです。
北本氏といえばヘディングの強さや粘り強いカバーリングが持ち味。そのプレーはいま、山川選手にもしっかりと伝承されています。「GKの後ろにまわってのゴールカバーなど、クニさんのプレーをめっちゃ見てきました。また、クニさんは頭でもめっちゃ得点をとるので、そこも見習わないといけない」と、山川選手。近いうちにヘディングでのゴールも生まれるかもしれませんね。
収録の終盤には、プロを目指すサッカー少年にアドバイスをと求められた山川選手。「僕ができるアドバイスは気持ちの部分でしかないが、自分がなりたいサッカー選手を見つけて、その選手の真似をしたり、あとは気持ちの強さが一番大事だと思うので、ぶれない目標をつくって、そこに向かって、逆算して、いま何をすればいいかというのを考えて実行して、それを継続することが一番大事かなと思います。未来のヴィッセルを担うような少年たちが生まれてきてくれることを願っています!」と、子どもたちにエールを送っていました。
山川選手がプロになったのは2020年。そのシーズンはちょうどコロナ禍となり、プロデビュー後しばらくの間は声出し応援もなく、観客も限られたなかでの試合でした。制限がなくなった今シーズン、多くの観衆が集い、声援も送られるなかでの試合を経験し、「すごく素晴らしい環境に感謝しています」と、プロサッカー選手として感慨ひとしおの様子。ホーム・ノエビアスタジアム神戸の雰囲気についても、「どこを観てもヴィッセルのユニフォームを着た方たちが応援してくれていますし、サポーターたちの声は自分たちのパワーになっています」と述べていました。
ヴィッセルのサポーターズソング「神戸讃歌」は、「(歌うのは)中学生のとき(ヴィッセルU-15時代)からバッチリです!」と山川選手。今シーズン、首位を走るなか、ホームで選手たちが肩を組んで歌う様子がすでに何度も見られていますが、今後も山川選手が熱唱する様子を1試合でも多く見たいものです。