続く追悼式典には遺族のほか、全校児童600人や教員、来賓ら約760人が出席した。事件の発生時刻、10時12分にあわせ、亡くなった児童の名前が刻まれたモニュメント「祈りと誓いの塔」の8つの鐘を鳴らし、参列者は1分間の黙祷をささげた。
2023年3月、17歳の少年が埼玉県戸田市の中学校に侵入し、教員をナイフで切りつけ、負傷させた事件があった。
学校での安全について、取り組む課題は多い。
事件当時6年生の担任だった眞田巧(さなだ・たくみ)校長は、「8人の子どもが亡くなる事件があった学校だからこそ、発信するべきことが重要。学校は、子供たちを守る責任があるのは当然だが、同時に学年を重ねるにつれて、上級生から下級生へ積極的な声かけをする、あるいは安全とは何かを考えることが、新たな被害を食い止め、加害者を生み出さないことにつながる」と話した。
《大阪教育大付属池田小学校・児童殺傷事件》
2001年6月8日午前10時12分ごろ、包丁2本を隠し持った宅間守・元死刑囚が、学校東側の門から校内に侵入。校舎1階の教室や廊下で児童らを次々に襲い、2年の女子児童7人と1年の男子児童1人が死亡、児童13人と教諭2人が重軽傷を負った。元死刑囚は現行犯逮捕された。一審・大阪地裁で2003年、死刑判決が言い渡され、控訴を取り下げ刑が確定した(2004年9月死刑執行時・元死刑囚は40歳)。国や学校はその後、学校の安全管理の不十分さを謝罪、事件を機に全国で学校の安全を見直す動きが広がった。