声優・鈴村健一が、9日、ラジオ番組『青春ラジメニア』(ラジオ関西)にゲスト出演。先月24日(水)にリリースした3rdミニアルバム『ROOTS』(ルーツ)について、コンセプトや楽曲に込めた思いを語った。
今年10月、アーティストデビュー15周年を迎える鈴村。今回リリースされたミニアルバムのコンセプトは『ルーツである自分自身と向き合うこと』だそう。声優としての原点である「東京」、偏食を克服するきっかけとなった「町中華」、幼いころから大好きだった「ヒーロー」など、自身のルーツにまつわるさまざまなトピックを楽曲にしている。
第一子の誕生をきっかけに作ったという『明星』(みょうじょう)。「子どもにとってのルーツは“僕”なんですよね。僕自身もルーツであることをアルバムに残しておきたかった」と語るこの楽曲は、子どもに向けて歌う曲であるとともに、いろいろな解釈ができるようにもしたかったと、鈴村は語る。
「どんなことにも始まりがある。その第一歩は単調なこともあるし、世界が急にひらけて怖くなったり、自分で決めたことなのにおじけづいてしまったりすることも。でもそれは仕方がないし、どう受け止めて前に進んでいくか。その先に明るい星『明星』が見えるといいね、という思いを込めました」(鈴村)
ミニアルバムに収録されている5曲はそれぞれ、鈴村と関係の深いクリエイターが作曲を手がけており、個性あふれるラインナップとなっている。制作を依頼する際、「各クリエイター宛にコンセプトや歌詞のイメージを手紙で伝えた」と話す鈴村。なかでも、その思いがシンクロしたのが、ヒャダインこと前山田健一による楽曲『乗り込め 町中華』だという。これまで鈴村は全ての作品で作詞を手掛けてきたが、今回、仮歌(かりうた)の段階で前山田から上がってきた歌詞が「これ以上の修正はできない!」と思うほど高い完成度だったため、「そのままください!」となり、鈴村が作詞を担当しない初めての楽曲が誕生したのだそう。
番組では、ミニアルバムに収録されたうちの一曲『声』も紹介した。作曲を担当したのは、鈴村が「名優であり、いっしょにものづくりができる仲間」とする声優・森久保祥太郎だ。声優の2人が手がけた本楽曲に込めた熱い思いを語った。
鈴村は、“声”をコミュニケーションツールとして大切にしているとしつつ「思っていることがなかなか伝わらないことも多く、もどかしい思いをすることもある」と明かし、「それでも諦めずに何かを発信し続けるのが、自分の人生のドラマにもなるし、絶対に誰かの人生のドラマにも紐づいてくる」との意思を示した。そして「僕と、僕以外の誰かをつないでくれているものは『声』なんじゃないかと思っている。『声とはなんなのか』『この声を誰かに届けたい』ということを心に重ねてもらえれば」と期待を込めた。
鈴村ゆかりの地を巡るツアー『鈴村健一 LIVE TOUR 2023 "ROOTS"』の開催も決定している。出生の地である新潟県、出身地の大阪府、かつて暮らしていた福岡県、そして上京後初めて住まいし、アーティストデビュー10周年ライブを行った思い出の地でもある神奈川県の全国4か所を巡る。思い入れの深い土地でのライブを目前に、鈴村は「すごく楽しみにしています」と声を弾ませた。
※ラジオ関西『青春ラジメニア』2023年6月9日放送回より