Z総研は2023年6月5日にZ世代メンバー962人から回答を得た『Z総研2023年上半期トレンドランキング』を発表しました。ランキング項目は計6つ。その中の1項目は『流行った言葉』でランキング形式で紹介されており、2位・3位には「かわちぃ」「うちゅくしぃ」などといった赤ちゃん言葉が連続でランクイン。また、5位には「ちゅき」が並ぶという結果に。これらの赤ちゃん言葉の由来や人気の理由について調査してみました。
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まず第2位の「かわちぃ」は「かわいい」をあらわす言葉です。もともとTikTokやYouTubeでファッション関係のインフルエンサーが自身のコーディネートを紹介する際に「かわちぃ」と表現したことが発端。使い方は「このデザインかわちぃ」とか「この組み合わせかわちぃ」など。服装の一部分や、ファッション全体の魅力を表現する際に使用されます。
「うちゅくしぃ」「ちゅき」は「美しい」「すき」と同意です。「うちゅくしぃ」は「かわちぃ」と同じ由来・使い方でZ世代に広まりました。「ちゅき」は2021年にネットで話題となった漫画にルーツがあるのですが、コーディネート紹介動画で再び注目を集める言葉となりました。
これらの赤ちゃん言葉を使うファッション動画、ポイントとなるのは前後の“喋り方”です。「今日はこの服を使って……」と説明口調で話が進み、淡々とコーディネートの魅力や特徴が紹介されます。また、脳がゾワゾワするようなリアルサウンドの「ASMR」風の音声で紹介されることも特徴の一つ。ピンマイクに口を近づけコーディネートの説明をしたり、高性能マイクで服の擦れる音やボタンを留める音を精密に拾います。
そのような真面目で繊細な空気が醸される中、あえて赤ちゃん言葉を投入することで緊張と緩和のギャップが生まれます。そのギャップにおもしろさとチャーミングを感じることが、赤ちゃん言葉が人気である理由のひとつではないでしょうか。
「かわちぃ」「うしゅくしぃ」「ちゅき」は、最近ではコーディネート動画以外にも使用されることが多いそうです。趣味・コレクションなど、ジャンル問わず自身が好きなものを紹介するショート動画にも広まりつつあります。赤ちゃん言葉は対象となるものがわかりやすく伝わり、動画全体の雰囲気が柔らかくなる魔法のワードなのかもしれませんね。
(文=弘松メイ)