人間社会の現状を痛烈に風刺 大人にこそ見てほしい ディズニー映画『リトル・マーメイド』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

人間社会の現状を痛烈に風刺 大人にこそ見てほしい ディズニー映画『リトル・マーメイド』

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 1989年に作られ日本では1991年に公開されたディズニーの劇場アニメ『リトル・マーメイド』を、ディズニー創立100周年となる今年、実写映画化したものです。監督はミュージカルが得意で『シカゴ』『イントゥ・ザ・ウッズ』などで知られるロブ・マーシャルです。

 ヒロインのアリエル役は、長編映画初主演のハリー・ベイリーです。ビヨンセがハリーの歌声にほれ込み、アルバムやツアーに参加させています。エリック王子を演じるのはジョナ・ハウアー=キング、アリエルの父トリトン王はハビエル・バルデム、アースラはメリッサ・マッカ―シーです。

 日本で上映されているプレミアム吹替版のアリエル役は、ドミニカ共和国生まれで大阪育ちの豊原江理佳です。

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 今作は映像が美しく、歌も物語もたっぷりと堪能できる見ごたえあるミュージカル映画です。

 物語の中で人魚が生きる世界と人間が生きる世界が描かれます。人間界では人魚が海を荒らして船を沈没させたと思っています。一方の人魚たちは人間のことを悪の存在だと決めつけています。人間と人魚は互いに相手のことを誤解して憎しみ合っているのを表現して、現在の世界の分断を痛烈に風刺しています。今作には、こうしたメタファーが多く隠されています。

 ヒロイン役に黒人女性のハリー・ベイリーを起用したことが議論を呼んだとされますが、作中でもエリック王子の母親が黒人で王子は実の子ではないストーリーになっています。王子が身分を意識せずに船乗りたちと分け隔てなく付き合う姿などを描写して、差別と偏見、多様性や格差社会などへの暗示を作品全体に散りばめています。

 アリエルのことを気にかけて近くで支えるのが、魚のフランダーとカツオドリのスカットル、カニのセバスチャン。脇を固めるキャラクターも一人ひとりが魅力的です。映画『リトル・マーメイド』は、いま公開中です。(SJ)

ポスター

◇映画『リトル・マーメイド』(原題:The Little Mermaid)
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。

キャスト:
ハリー・ベイリー メリッサ・マッカーシー ジョナ・ハウアー=キング ハビエル・バルデム

監督:ロブ・マーシャル
音楽:アラン・メンケン&リン=マニュエル・ミランダ

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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公式サイト
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