いいえ、決してそのまま放っておいてはいけません。食事をとらなくなると栄養が足りなくなってしまいますし、リハビリを拒否してしまうことも出てきますので、服薬により元気をつけてもらう必要があります。
――うつ病の場合は声かけも難しいですよね。
そうですね。「頑張りましょう」という言葉をかけてはいけない、ともいわれています。家族を含めて激励の言葉をかけることは難しいため、痛みや苦しみなどを共感するということが必要です。そのうえで、「うつ病を患ったことで何もできなくなったわけではないから前向きに考えよう」「長い期間がかかってもいいからリハビリをしよう」と心がけていただければと思います。
――脳卒中後、思うように手足を動かせないこと、呂律がまわらないことに対するストレスなどもうつ病発症に関わっているのでしょうか?
環境などが突然変わりますので、そういったストレスが大部分だと思います。
――発症後の治療は向精神薬(こうせいしんやく)などの投薬から始まるのですか?
その通りです。うつ病が重症化すると何もできなくなってしまいますので、抗うつ薬などを使用します。
――素人としては抗うつ薬などを常習すると危険なイメージがあるのですが……。
突然投薬を中止すると危険だといわれることもありますが、常習性のある危険な薬ではありません。
――患者さんがうつ病を脱すると目に見えて分かるものなのでしょうか?