神戸市西区の草むらで男児(6)の遺体が見つかり、 男児の祖母への監禁と傷害容疑で、祖母の長女(34)らきょうだい4人が逮捕された事件で、男児の遺体はスーツケースに入った状態で見つかったことが23日、捜査関係者への取材でわかった。
逮捕されたのは、男児の母親で祖母の長女A(34)、次男B(32)、次女C・三女D(いずれも30)の4人。男児、祖母を含む計6人で集合住宅に同居していた。長男については、別の場所で生活しているという。
捜査関係者によると、男児の遺体は、母親であるAの説明で22日午後6時過ぎに捜査員が発見した。スーツケースに入った状態で、服を着て、靴は履いていなかったという。この状況から、 男児は屋内で死亡し、草むらに遺棄された可能性もあるという。
23日に行われた男児の遺体の司法解剖で、「外傷性ショックの疑い」との結果が出た。
兵庫県警によると、死亡推定時期は6月19日ごろとみられる。遺体が発見された22日の時点では、目立った切り傷や刺し傷は見受けられなかったが、司法解剖により皮下出血が男児の背中全体に打撲の痕が広がっていたことが判明。それが素手か、鉄パイプのような凶器を使用したか、特定はできていない。
骨折はなく、発育状況は6歳児の平均値とみられ、栄養状態が極端に悪かったとはいえないという。
兵庫県警は男児に対する日常的な虐待の有無と、祖母に対する監禁、暴行との関連を調べる。4人の身柄は、24日に神戸地検へ送致される。
23日に会見した神戸市こども家庭局によると、男児が通っていた保育園が、2023年4月に男児の右肩やお尻に虐待を疑うあざがあるのを発見、神戸市西区役所に通告した。
その後、長女Aから区の職員に、「男児を育てにくい。一時保護してほしい」と申し出があり、神戸市子ども家庭センターが、一時保護の準備をしていた。しかし、「一時保護は不要」と返答されたという。