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【神戸市】六甲山の手入れで残った間伐木材を再利用 子ども服にアップサイクル

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 森の木々を育成するには人によって木を間引く「間伐(かんばつ)」などの手入れが必要だが、林業を行う人の減少や間伐材の利用方法など、多くの課題が存在する。その課題の解消、そして、六甲山の森を守るため、神戸市は一般社団法人と連携し、木材などの資源を子ども服へと作り替える取り組みをおこなっている。

六甲山間伐材を子ども服へとアップサイクル!(神戸市提供)

 神戸のシンボルであり、観光名所でもある六甲山の森からは豊富な木材資源がとれるが、それら木々は自然に育っているわけではなく人によって手入れされている。森の育成に必要なのが、木々を間引きすることで密度を調整する「間伐」という作業だ。この作業を怠ると、茂りすぎた木々によって太陽光が差し込まず下草が生えにくくなるほか、高齢の木々ばかりになるころで土砂崩れなどの自然災害が発生しやすくなってしまう。しかし、森にとって必要不可欠な作業である反面、林業に携わる人の減少や間伐材が余るなどの課題も存在する。

 間伐材を有効利用すべく、先日リニューアルオープンした神戸市中央区役所の窓口が木材をふんだんにあしらったデザインへと生まれ変わった。ほかにも、図書館をはじめとした神戸市のさまざまな施設で間伐材が利用され、六甲山の木材のPRにつなげている。

 さらに、間伐材を通じて六甲山のことをより知ってもらうため、神戸市は、ネスレ日本株式会社、日清紡グループのニッシントーア、岩尾株式会社をはじめとした22社(令和5年6月時点)による、資源を有効活用するプラットフォーム「一般社団法人アップサイクル」と連携。昨年10月より、回収した紙資源と六甲山の間伐材を子ども服へとアップサイクルする取り組みを行っている。

 子ども服として再利用されたのは、東京圏で回収されたお菓子の紙パッケージや牛乳の紙パックと、六甲山の間伐材。これらの資源を再生紙にして細かく切ったものから「紙糸(TSUMUGI)」を作り、子ども服へとアップサイクル。“アップサイクル子ども服”として、神戸市内にある13の児童養護施設で暮らす子どもたちの元へと届けられた。

六甲山の間伐材を子ども服にアップサイクル(神戸市提供)
六甲山の間伐材をアップサイクルしてできた「紙糸(TSUMUGI)」(神戸市提供)

「アップサイクル」とはそもそも、使い終えたものを原料に戻してから再利用する「リサイクル」とは異なり、別の用途に作り変えて付加価値を与えることを指す。神戸市は、「一般社団法人アップサイクル」と連携して利用されていない間伐材を活用することで持続可能な循環型社会へとつなげるだけでなく、六甲山の森づくりを目指す。アップサイクル衣服は、化学繊維で作られた衣服から発生する“マイクロプラスチック”による海洋汚染などの環境負荷の軽減にも寄与している。

「紙糸で作った繊維製品はまだ販売には至っていないが、一般社団法人のメンバーと準備を進めている」と語るのは、神戸市企画調整局・東京事務所の濱住康弘さん。「先人たちが思いをこめて植林し育てた木材と、人々の手によって集められた紙資源。これらを有効活用し、両方の思いを紡ぐことによって紙糸は完成している。売り上げの一部は六甲山の森づくりに使われることで、今の思いをさらに未来へとつなげていく取り組みになっているので注目してほしい」と付け加えた。

※ラジオ関西『サンデー神戸』2023年6月25日放送回より


【神戸市:紙資源・間伐材のアップサイクルと六甲山のPRに取組みます~資源有効活用プラットフォーム「一般社団法人アップサイクル」と連携~】

【神戸市:~東京圏から神戸へ想いを紡ぐプロジェクト~全国初!紙パッケージと間伐材を“アップサイクル”した子ども服を神戸に届ける取組みをスタートします】

◇『サンデー神戸』
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サンデー神戸 | ラジオ関西 | 2023/6/25/日 09:00-09:30

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